« 映画「アンノウン」 | トップページ | 映画「人生はビギナーズ」 »

2012年2月26日 (日)

「小さな男*静かな声」 吉田篤弘

小さな男*静かな声 (中公文庫)

小さな男*静かな声

吉田篤弘

中公文庫 2011. 11.
(original 2007.8)

吉田篤弘さんの作品が文庫化したとなったら読まないわけにはいきません。珍しくかなりの長編で、厚めの文庫本でしたね~。

百貨店の寝具売り場で働き、百科事典を執筆し、<ロンリーハーツ読書倶楽部>に通う「小さな男」。

日曜深夜の番組を担当することになった「静かな声」を持つパーソナリティ。

2人のささやかな日常が交互に綴られていくのだけれど、これ以上のあらすじといったあらすじもないのでストーリー紹介が難しい小説です。お気に入りのブログでブロガーさんの近況を読んでいるような感じで軽い気持ちでゆったりと作品世界に浸ることのできる作品でした。

感想を書くのがとても難しいのだけれど、好きか嫌いかで言えば、「かなり好き」。

吉田氏の物語は相変わらずレトロな空気の漂うアイデアが抜群に面白くて、特に卓上灯、自転車、あと百貨店の裏通路なんかはかなりお気に入りです。

メインの2人のキャラクターもとっても愛らしいのだけれど、脇役たちも非常にキャラが立っていて、読んでいるうちに全ての登場人物が愛おしく感じられてきました。

解説で重松清氏が読むのに時間がかかると書かれているのですが、この作品は一気に読んでしまうよりも、一日一章ずつ2人の日常をゆっくりと追っていくような読み方のほうが合っているように思いますね。

2人の物語の交差の仕方もドラマチックではないのだけれど、それぞれの物語を知っている読者だけがそのゆるいつながりに思わず微笑んでしまうような書き方もとても良かったです。

|

« 映画「アンノウン」 | トップページ | 映画「人生はビギナーズ」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145222/54077069

この記事へのトラックバック一覧です: 「小さな男*静かな声」 吉田篤弘:

« 映画「アンノウン」 | トップページ | 映画「人生はビギナーズ」 »