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2012年3月20日 (火)

「女だけの町 クランフォード」 ギャスケル

女だけの町―クランフォード (岩波文庫 赤 266-1)

女だけの町 クランフォード(Cranford)

エリザベス・ギャスケル
(Elizabeth Gaskell)

岩波文庫 1986

(original 1851-52)

19世紀の女流作家ギャスケルの作品。近年本国英国でジュディ・デンチ主演でドラマ化されてヒットしたとかで注目を浴びているようです。

男性がほとんどおらず、老齢の婦人達が世間の流行から離れた生活を送っている街クランフォードを舞台にそこで起こる様々なドタバタを描いていく。

一応長編なのだけれど、短いエピソードを積み重ねて展開していくので連作短編といった感じが強いです。

語り手がクランフォードに暮らす女性ではなく、外から街にやってきているという設定なので、一種独特の空気に溢れたご婦人方のパラダイスを一歩ひいた視点で描くのが良かったです。

てか、何気に毒舌で、癖のある登場人物たちにさりげなくするどいツッコミが入るのが面白く、思わず笑ってしまうような場面も多かったです。全体の雰囲気としては「デスパレートな妻たち」19世紀英国版といった感じでしょうか。

ただ、訳文のせいか分からないけど、非常に読みづらい。物語は面白いのに読むのに非常に時間がかかってしまいました。登場人物が多くて、序盤はそこを整理しながらだったので何度も読み返したりしてしまったし。

オースティンの描く人間模様よりももっともっと日常的で下世話なドタバタの中に、御婦人がたの凛とした生き様がキラリと光り、温かみに溢れた作品でした。ここまで平均年齢の高い小説も珍しいですよねぇ。

ラストの強引なハッピーエンドもなかなかに微笑ましく面白い作品でした。ドラマ版も見てみたい。

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