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2012年8月

2012年8月29日 (水)

映画「世界でいちばん不運で幸せな私」

世界でいちばん不運で幸せな私 [DVD]

Jeux D'enfants

フランス ベルギー

2003

2004年9月公開

TV録画鑑賞

以前からちょっと気になっていた風変わりな恋愛映画。

病気の母を持つジュリアンと移民の娘のソフィーは小学校の同級生。二人は交互に相手の出した条件を必ず飲まなくてはいけないというゲームを始める。次第に2人のゲームはエスカレートしていき、大人になった2人は互いに思いを寄せながらもゲームに縛られ、お互いに傷つけあいながらゲームを続けていく・・・

なんとも風変わりな映画でした。不器用な2人を「ゲームに振り回される」という非常に極端な設定で描くのだけれでも、このゲームがあまりに過激すぎて、ファンタジックな雰囲気の恋愛映画だと思って見ていると、なかなか痛い目にあってしまいます。

演出がなかなかにスタイリッシュで映像で楽しめる作品なのだけれど、二人があまりにゲームに縛られすぎていて、何もそこまで・・・、などと思ってしまうと一気にさめてしまって、作品世界に入り込むことができないまま見終えてしまいました。

ただ、あまりに奇想天外すぎる二人の人生が最後どのように落ち着くのだろうかという好奇心もあったので、飽きることはなかったです。てか、初っ端のバスからしてもはや子供の遊びってレベルを超えてるし・・・。

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2012年8月27日 (月)

「灰色の畑と緑の畑」 ウルスラ・ヴェルフェル

灰色の畑と緑の畑 (岩波少年文庫 (565))

灰色の畑と緑の畑
(Die Grauen und die Grünen Felder )

ウルスラ・ヴェルフェル
(Ursula Wölfel)

岩波少年文庫

(original 1970)

貧富の差、差別、戦争、飢餓などの社会問題を題材に世界各地を舞台にして描かれる14の短い物語。

児童書なんですが、大人が読んでも深く考えさせられる一筋縄ではいかない作品でした。

なんといっても問題提起することが目的であるようなことを著者自身が書いている通りに、特に何の解決も示されないままなんとなく後味の悪いまま終わってしまう話も結構多いのです。著者自身が「愉快ではない」と言い切ってますし。

基本的に物語の主人公は子供たちなんだけれど、彼らが世界に潜む暗い問題の存在を知ってしまった瞬間を切り取ったような作品が多くて、登場する大人たちも特に道徳的な対応をするわけではなく、しっかりと現実を描いているので、読んでいて胸をギュッとつかまれるような苦しさを覚えてました。これ、子供のころに読んだら、トラウマみたいになる子もいるんじゃないのかねぇ。

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2012年8月26日 (日)

「七人の敵がいる」 加納朋子

七人の敵がいる (集英社文庫)

七人の敵がいる

加納朋子

.集英社文庫 12年3月
(original 2010)

テレビドラマ化にあわせて少し早目のペースで文庫化されたみたいですね。

編集者として働く陽子は子供が小学校に入学して最初の保護者会で役員を押し付けられそうになり発してしまった言葉でクラス中の保護者たちを敵に回してしまう。そこから息子が小学校卒業までの6年間、義母、学童保育、自治会、サッカー団の保護者会など様々な敵が陽子の前に立ちはだかり・・・

初期加納作品は魔法のような連作短編のトリックが魅力だったのだけれど、最近はミステリから離れた作品も増えてきましたね。

世の中、「役員」的なものが色々なところにあるけれど、役職を持つことに抵抗を感じる人も多いわけで、バリバリのキャリアウーマンである主人公がその中で苦しみもがきながら、自分なりの解決策を模索していく姿は、作者の実体験も色々と反映されているようで、読み応えがあり、なかなか面白い作品でした。

加納朋子の連作短編の巧さも相変わらず健在で、個々の短編が独立した作品としてしっかりと楽しめる一方で、長編としてもきれいにまとめている辺りは流石です。

ただ、作者の思いが前面に出すぎてしまっていて、やや主張をゴリ押しされている感があったのがちょい残念。これ、気になってしまう人はとても気になるし、あまりに考えが合わないと嫌悪感さえ覚えてしまうのではないかなぁと。

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2012年8月24日 (金)

映画「ロボジー」

ロボジー スタンダード・エディション [DVD]

ロボジー

日本

2012

2012年1月公開

機内鑑賞

矢口史靖監督のコメディはやっぱり安定した面白さがあってハズレなしです。

社長から二足歩行ロボットの開発を命じられた木村電機のエンジニア3人(濱田岳、川合正悟、川島潤也)は「ニュー潮風」と名付けたロボットを作っていたが、不慮の事故でロボットが大破してしまう。発表の場であったロボット博までに新たに作り直す時間もなく、3人はとりあえずロボット博をやりすごすために、ロボット型の着ぐるみに入る人物を探し始め、オーディション会場に現れた73歳の鈴木(五十嵐信次郎)の老人的な動きに目を付ける。そして迎えたロボット博当日、鈴木の起こした行動から「ニュー潮風」が世間の注目を浴びるようになってしまい・・・

矢口監督はやっぱり巧いですね。ものすごく面白いわけでもないのだけれど、老若男女誰が見ても楽しめるような安心感にあふれたコメディでした。

もっとロボジーのドタバタで笑わせるのかと思ったのだけれど、ロボジーそのものよりも、その周りであたふたする人々で笑いをとって、ロボジーの核心的な部分では人情的なドラマを盛り込むというバランスも良かったです。

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2012年8月22日 (水)

映画「恋とニュースのつくり方」

恋とニュースのつくり方 [DVD]

morning glory

アメリカ

2010

2011年2月公開

DVD鑑賞

キャストの豪華さにつられて鑑賞してみました。

地方TV局を解雇されてしまったベッキー(レイチェル・マグアダムス)は、NYのテレビ局で全国ネットの朝の情報番組のプロデューサーに採用され喜んだのもつかの間、この番組は低視聴率続きで打ち切り寸前であることを知る。ベッキーはキャスターのコリーン(ダイアン・キートン)の相手役として頑固者の伝説の報道キャスターのマイク(ハリソン・フォード)を起用するのだが・・・

うーん、コメディとしても中途半端だし、サクセスストーリーとしても特に面白いわけでもなく・・・。アメリカ映画で情報番組の立て直しっていう内容だと、「男と女の不都合な真実」のほうがコメディとしても盛り上がって、面白かったかなぁ。肝心のダイアン・キートンとハリソン・フォードの掛け合いがあまり面白くないのが非常にもったいないです。

個人的にはもうちょいラブコメ要素が強めか、キャラクターのあくが弱いほうが楽しめたかなぁ。

レイチェル・マグアダムスがキラキラと頑張っている姿はなかなかのハマリ役で、作品全体が明るくなっているのは良かったと思います。

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「何もかも憂鬱な夜に」 中村文則

何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)

何もかも憂鬱な夜に

中村文則

.集英社文庫 12年2月
(original 2009)

中村文則の作品はいつも全く共感はできないのだけれど、なぜだか気になってしまいます。

主人公は期限までに控訴しなければ死刑になってしまう山井を担当している青年。施設で育った彼は、かつて自殺した友人や、自らの人生を振り返りながら、山井の中に自分と似たものを感じていた・・・

いつも通り、非常に読みやすい文体で、非常に重い内容が描かれているのですが、この作品は主人公の置かれている境遇からして重さに溢れた設定なので、そういう点では作品世界に入り込みやすかったです。自分は本当に青春の悩みとかが皆無だったので、人生に悩みもがく若者の物語は全く共感できないのだけれど・・・。

殺人、死刑、自殺と、「死」の影に覆わた暗い作品ではあるけれど、音楽、文学、映画といった「芸術」が持つ力が、明るく作品世界を照らしていたところが良かったです。

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2012年8月19日 (日)

舞台「サンセット大通り」

ミュージカル「サンセット大通り」

6月20日

赤坂ACTシアター 

オリジナルの映画版を以前見て、その面白さに完全にノックアウトされてしまった「サンセット大通り」。この作品がアンドリュー・ロイド=ウェバーによってミュージカル化されてトニー賞7部門を獲得したことは知っていたので、ずっと見てみたいと思っていたのですが、ついにその機会が訪れました。

ストーリーは映画版とほとんど同じ。

売れない脚本家ジョー(田代万里生)は借金取りに追われ、とある屋敷へと迷い込む。そこにはサイレント時代の大女優ノーマ(安蘭けい)が執事のマックス(鈴木綜馬)と暮らしていて、ノーマはジョーに自分の主演作品の脚本を書くよう依頼し、屋敷に住まわせるのだが・・・

事前にロンドン版のサントラを聞いてから舞台を見に行ったのですが、この作品、なんといっても曲が良いです。さすがはロイド=ウェバー。もともと、ストーリーの面白い映画だったので、そこに名曲が加われば、つまらない作品になるはずがありません。

お屋敷のセットや衣装は豪華絢爛だし、ステージ上を車が行き交ったりと、ストーリーや、音楽、役者の演技以外にも様々な点で見応えのある舞台でした。

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2012年8月17日 (金)

「夢宮殿」 イスマイル・カダレ

夢宮殿 (創元ライブラリ)

夢宮殿
(Nepunesi iPallati i ëndrrave )

イスマイル・カダレ
(Ismail Kadare)

創元ライブラリ 2012.2.

(original 1981)

創元ライブラリは昨年の「ロコス亭」から始まって、「パラダイス・モーテル」にこの「夢宮殿」とこのところひっそりと熱い作品を届けてくれるのが嬉しいですね。

アルバニアの小説を読むのは初めて。

名家の出身の主人公マレク=アレムは国家を脅かす危険に備えるために夢を管理、分析する機関タビル・サライに働き始めるのだが・・・

こういうカフカ的な世界は結構好きです。お役所仕事に振り回されるところが「城」っぽいけれど、こちらはお役人さんの視点になっているところが面白いです。

夢占いとか夢から自分の状況を探ろうとするのはよくあることだけれど、国家レベルで夢を収拾、分析して、夢という極めて個人的なものに国家の存亡を託すことの怖さや滑稽さがそのままこの組織の巨大さと官僚的な体質に反映されていて、その中で異例の早さで出世していく主人公と共に我々読者も不条理な世界に飲み込まれていく、なかなか面白い作品でした。

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映画「ジョイフル♪ノイズ」

ジョイフル♪ノイズ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]

Joyful Noise

アメリカ

2012

2012年4月公開

機内鑑賞

5月に海外に行った際に機内で鑑賞しました。ミュージカル好きとしては音楽映画は見逃せません。

舞台はジョージア州の小さな町。町の教会の聖歌隊の指揮者が倒れ、新しく指揮を任されることになったヴァイ(クイーン・ラティファ)は今まで通りの正統派ゴスペルにこだわるが、前指揮者の妻であったGG(ドリー・バートン)は新しいスタイルで行くべきだと主張する。2人が対立する中、GGの孫息子とヴァイの娘は惹かれあっていく。バラバラになってしまった聖歌隊は、全米コンテスト「ジョイフル・ノイズ」での優勝を目指すのだが・・・

うーん、はっきり言ってしまうと、面白くない。歌唱シーンが全然面白くないのに、いちいちフルで歌うからやたらと長いのだよね。こういう映画って多少物語がつまらなくても歌唱シーンだけ見応えがあれば、それなりの満足感が得られるのに(「バーレスク」とか)、物語も歌も微妙となると・・・。

聖歌隊の方向性だけでなく、アスペルガー症候群の息子やら出て行った夫やら話を深くしようとして色々と盛り込んでるのだけれど、もうちょっとストレートに音楽で勝負しても良かったのではないかなと。ジュークボックス的な音楽の使い方なんか含めてGleeを意識してるっぽいのだけれど、あれはやっぱり連続ドラマだからこそなせる業だと思うのだよね。

と酷評っぽくなってしまったけれど、アジア系のおじさんのエピソードなんかはなかなか微笑ましくて結構好き。

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2012年8月16日 (木)

映画「メアリー&マックス」

メアリー&マックス [DVD]

Mary & Max

オーストラリア

2009

2011年4月公開

DVD鑑賞

クレイアニメ好きなのでずっと気になっていた1本です。

オーストラリアに暮らす8歳の少女メアリーはアルコール依存の母と趣味の剥製作りに没頭する父に育てられ、学校でもいじめられる孤独な日々を過ごしていた。ある日、彼女は電話帳の中から適当に選んだニューヨークに住むアスペルガー症候群のマックスに手紙を出し、これを機に二人の文通が始まる。やがてメアリーは成長し、大学で心理学を学ぶようなるのだが・・・

ラストで大号泣・・・。このラストはずるい。

思ってた以上に素晴らしい映画で、この10年で見た作品TOP5に入れても良いくらいですね。これ映画館で見てたらしばらく席から立ち上がれなかったかもしれません。

アスペルガー症候群を扱った物語からしてそうですが、終始暗いトーンで描かれるアニメーションの映像も決して子供向きではないのだけれど、実写で描くとえぐくなりすぎてしまう題材がブラックユーモアあふれるアニメによって絶妙のバランスで描かれていたと思います。

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2012年8月15日 (水)

「それでも私は行く」 織田作之助

それでも私は行く

織田作之助

.青空文庫
(original 1956)

京都旅行の際に京都を舞台にした小説を探していて、たまたま見つけたオダサクの長編。亡くなる前年の最晩年の作品です。やっぱり織田作之助、かなり好きです。

舞台は戦後の京都。先斗町のお茶屋の息子で皆が憧れる美青年の高校生、梶鶴雄を中心に、女スリ師や芸妓・舞妓さんたち、小説家たちの織り成す群像劇を描いてく。

この作品、実在する地名や店などがたくさん出てくるのですが、京都の町を歩いていると、50年以上前に書かれた作品に出てくるのと同じ場所に同じ店がちゃんと残っているんですよね。主人公と同じ道を歩きながら作中で描かれる戦後京都の鮮やかな描写に思いをはせるというのもなかなか乙なものです。

物語は一人の主人公の視点に固定するわけではなくて、スーッとカメラが移動していくようにして、すれ違った人々に次々に焦点があたりながら、彼らの人生が思いがけないところでつながって一つの長編を紡いでいくという構成が非常に面白かったです。

あと、作中に小田策之介という作家が出てきて、この作品全体が彼の書いた作中作というメタフィクション的なオダサクの遊び心がキラリと光ってました。作家を出すことで、文学論なんかも登場したし、物語が妙に俗っぽい割にはいろいろと奥深い作品だと思います。

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2012年8月14日 (火)

映画「ルート・アイリッシュ」

ルート・アイリッシュ [DVD]

route Irish

2010

2012年3月公開

劇場鑑賞

ケン・ローチの新作とあったら観ないわけにはいきません。

あるとき、イラクのもっとも危険な地域、ルート・アイリッシュで戦死したフランキーの葬儀が行われる。フランキーの死を不審に思った親友ファーガスは、彼の遺品の携帯電話に一般市民の少年が銃殺されている映像が入っていることを知り、フランキーの死の真相を突き止めようとするが、それを阻止しようとする者たちから妨害を受け・・・

ケン・ローチにしてはかなり異色の作品ですね。底辺ギリギリのところで苦しい生活をしている市井がわずかな希望を求めてもがくけれど、それが空回りしてしまうというのがいつものパターンですが、今回はそれに加えて珍しくミステリー仕立て。

ただ、淡々とした作風とこういうジャンルの相性は決してよくなて、ハラハラドキドキの演出もないし、痛快アクションがあるわけでもなく、題材ばかりが重いので、見応えはあるけれど、やや消化不良な感じ。ちょっと話が難しかったしね。

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2012年8月13日 (月)

映画「ミッション8ミニッツ」

ミッション:8ミニッツ [DVD]

source code

米仏

2011

2011年10月公開

DVD鑑賞

公開時に予告で観て気になっていた1本。こういうSF結構好きなのです。

アフガンに従軍していたはずのコルター(ジェイク・ギレンホール)は気がつくと電車に乗っていて、何がどうなっているのかと思っているうちに、その電車が爆破されてしまう。

すると、彼は謎の空間で目を覚まし、そこで、自分がとあるミッションに参加していることを知る。電車爆破事件の起こる直前の8分間に残された犠牲者たちの意識の残像に入り込み、犯人が誰なのかをつきとめることになったコルターは何度も同じ8分間を往復しながら、次第に事件の核心に近づいていくのだが・・・

評判通りに面白い作品でした。

序盤、設定がちょっとわかりづらかったのですが、主人公が一体どこにいるのかとか、大きな謎が割とすぐに明らかになるので、余計なことを考えずに楽しめたのが良かったです。主人公がめげずに何度でも立ち上がって事件の真相を追う作品だと思っていたら、単純にそれだけ終わらせなかったのがこの作品の面白いところ。

何度も同じ場面を繰りかえすというのも程よいところでカットしてくれてて、テンポ感を保っていたし、ややこしい物語を非常に見やすくまとめていましたね~。「過去は変えられない」というのが基本にあるのが、他の類似作品とは違った面白さを出しています。

犯人に近づくところ、もうちょいハラハラさせてくれても良かったかなぁとも思うけれど。

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2012年8月11日 (土)

「有頂天家族」 森見登美彦

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族

森見登美彦

幻冬舎文庫 2011. 8.
(original 2007.9)

京都に行くことになったので、京都を舞台にした小説を読もうと思い積読本の中から発掘。鴨川の土手で森見作品を読むという長年のあこがれをついに実現しました。(3月に読了してます。)

狸の下鴨家の三男、矢三郎が家族のため、宿敵一家との戦いのために京都を駆け回るお話。

読んでいて一番に感じたのは、ジブリの「平成狸合戦」の舞台を京都にしたような作品だなぁということですねぇ。全体のドタバタっぷりも、化けた狸が夜の街を駆け抜けるようなイメージも非常に似ています。

兄弟たち、ライバル狸たち、人間に天狗と登場するキャラたちが皆個性的で愛すべき存在なのがこの作品の面白さを支えているのだけれど、物語そのものはちょい冗長だったかなぁ。もう少しコンパクトにバカ騒ぎして終わってくれるほうが好きかも。

いくつかのエピソードを積み重ねながら長編としてまとめているのだけれど、とりわけ好きだったのは金曜倶楽部の話ですかね。弁天さん、イイネ!。

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