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2012年8月26日 (日)

「七人の敵がいる」 加納朋子

七人の敵がいる (集英社文庫)

七人の敵がいる

加納朋子

.集英社文庫 12年3月
(original 2010)

テレビドラマ化にあわせて少し早目のペースで文庫化されたみたいですね。

編集者として働く陽子は子供が小学校に入学して最初の保護者会で役員を押し付けられそうになり発してしまった言葉でクラス中の保護者たちを敵に回してしまう。そこから息子が小学校卒業までの6年間、義母、学童保育、自治会、サッカー団の保護者会など様々な敵が陽子の前に立ちはだかり・・・

初期加納作品は魔法のような連作短編のトリックが魅力だったのだけれど、最近はミステリから離れた作品も増えてきましたね。

世の中、「役員」的なものが色々なところにあるけれど、役職を持つことに抵抗を感じる人も多いわけで、バリバリのキャリアウーマンである主人公がその中で苦しみもがきながら、自分なりの解決策を模索していく姿は、作者の実体験も色々と反映されているようで、読み応えがあり、なかなか面白い作品でした。

加納朋子の連作短編の巧さも相変わらず健在で、個々の短編が独立した作品としてしっかりと楽しめる一方で、長編としてもきれいにまとめている辺りは流石です。

ただ、作者の思いが前面に出すぎてしまっていて、やや主張をゴリ押しされている感があったのがちょい残念。これ、気になってしまう人はとても気になるし、あまりに考えが合わないと嫌悪感さえ覚えてしまうのではないかなぁと。

加納朋子は「モノレールねこ」くらいから人情ドラマに深みが出てきて、「少年少女飛行倶楽部」やこの作品のようにミステリ以外にも作品の幅を広げてきているので、これからが楽しみです。

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コメント

かなり面白かったです。
恋愛ものでなくとも、こういう作品こそ、大人の女性に向けたものだと思います。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。

投稿: 藍色 | 2013年2月 5日 (火) 16時05分

>藍色さま

コメントどうもありがとうございました。
レスが遅くなってしまい失礼いたしました。

加納さんの作品はずっと好きでほとんど読んでるのですが、
このところミステリ以外のジャンルも書くようになって、
作品の幅が広がってきているのが嬉しいです。

投稿: ANDRE | 2013年2月23日 (土) 00時48分

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