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2012年9月 2日 (日)

映画「アーティスト」

アーティスト コレクターズ・エディション [DVD]

the artist

フランス

2011

2012年4月公開

機内鑑賞

今年のアカデミー賞作品賞受賞作品。モノクロでサイレントってのが引っかかってなんとなく見逃していたのを機内で鑑賞しました。思ってたよりもはるかに良い作品で、劇場で観れば良かったと後悔。

サイレント映画の黄金期、大スターのジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、舞台挨拶を終えて出てきたところを大勢のファンに出迎えられ、ふとした偶然からファンの1人、新人女優のペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)にキスをされ、その瞬間をとらえた写真が新聞に載ってしまう。やがて、ペピーはジョージの助言を得て大人気女優へとなっていくが、トーキー映画の出現でサイレントのスターだったジョージは人気を失い・・・

普通に良い映画ですね。

サイレント&モノクロだと普段以上に映像への集中力が高まるので、俳優さんの表情を含めて細かなところまでしっかりと観るってのもあるのかもしれないけれど、ペピーが洋服に袖を通してみるシーンとか、階段で踊って見せるシーンとか印象に残る映像がとても多かったです。

あと、サイレントからトーキーへの変化を観客にしっかりと印象付ける場面があって、そのあたりの演出も巧かったなぁと思います。

あと、物語に色々と伏線がはられていたのも良かったですね。これもサイレントになっていることで、物語への集中力が普段よりも高まっていたように思うので、シンプルながらしっかりと作りこまれた脚本は見応えがありました。

サイレント時代のスターが過去の栄光にすがりつくってのは「サンセット大通り」なんかも同じテーマだけれど、トーキーになってまだ間もない時に作られた「サンセット大通り」はサイレント時代への懐古という雰囲気がなくて、過去の栄光にしがみつく狂気を描くことに重点が置かれていたけれど、この作品はサイレント映画への愛とリスペクトに溢れているのは21世紀になって改めて映画の黎明期を振りかえることができるくらいに映画という芸術が「歴史」を持つようになったのだなぁとちょっと感慨深くなってみたり。そういう意味では同じ年に「ヒューゴの不思議な発明」が公開になったことも意義深いですよね。

この映画を観て一番に思い出したのは、同じくフランスの作品、「イリュージョニスト」。人気が過去のものとなってしまった男と華やかな世界へと旅立つ若い女性の物語ということで、かなり共通点がありますよね。サイレントで描くというところも同じだし。「アーティスト」はほとんど同じ物語を甘く、そして、ハッピーエンドで描いたけれど、アニメーションの「イリュージョニスト」はブラックに、そして、切なくまとめているのが面白いです。僕は「イリュージョニスト」のほうが好きかなぁ。てか、「イリュージョニスト」はそれこそサイレントな手法のコメディで笑わせてくれたジャック・タチの脚本だってのも面白いなぁ。

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