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2013年1月 2日 (水)

2012年いろいろ大賞 書籍編

2012年の振り返り企画、書籍編です。

今年は映画と同じく趣味の読書を楽しむ時間も思うように取れなかったのですが、生涯のベストに入るような作品にもあまり出会うことができなかったのがちょっと残念。(ただ、年間ベストに選んだ作品はかなり好きです。)

あと今年の読書ニュースは、洋書に限り、Kindleを導入し、結構愛用してます。

さてさて、そんなわけで2012年のベストはこちらの1冊・・・

BEST BOOK 2012

「丘」 ジャン・ジオノ

南仏の丘に囲まれた13人だけで暮らしている小さな村を舞台に、次々と起こる災いに見舞われて、次第に妄想と迷信に取りつかれていく様子を描く1冊。自然に翻弄される人々を描く中で、人間そのもののあやうさにメスが入れられていく心理サスペンス的な物語の奥深さだけでなく、自然の描写の美しさがとても印象的で文句なしに面白い小説でした。

 

■ 海外文学部門

5位 「アウステルリッツ」 ゼーバルト

ひたすら長い長い語りに耳を傾けているような書き方や(読むのに体力が必要でちょっと疲れたけど)、随所に挿入されている写真の生気を失ったような不思議な静寂感にあふれた独特の雰囲気、思いがけずホロコースト系の内容だったことなど、色々と面白い作品でした。

一番最後の最後、昨年自分が訪れたリトアニアの某場所が登場して物語が閉じたことで、作品の世界が自分のリアルな人生の延長上につながる終わり方になっていて、この作品を手にしたことが運命的だったのではないかというような感覚を覚えて背筋がゾクゾクっとしたことも忘れらないです(ちょっとオーバーに考えすぎですね)。

 

4位 「女だけの町 クランフォード」 ギャスケル

「デスパレートな妻たち」19世紀英国版といった感じで、御婦人方のパラダイスで巻き起こるドタバタを楽しめる小説。評判の良いBBCのドラマが観たい!

 

3位 「楽器たちの図書館」 キム・ジョンヒュク

書店で何気なく手に取った人生初の韓国の小説。吉田篤弘の作品にも似た雰囲気で、どこかテンポのずれた人々が日常の中で起こる少し不条理なできごとに遭遇する物語を集めた短編集。この作者、他の作品も読んでみたい。

 

2位 「死都ブリュージュ」 ローデンバック

亡き妻と似た女性に溺れていく男という単純な物語を、ブリュージュという町に重ね合わせるというだけではそこまで楽しめなかったと思うのですが、やたらと大げさに盛り上げる語りが妙にツボに入ってしまって、付箋を貼っていたら本が付箋だらけになってしまいました。

 

1位 「丘」 ジャン・ジオノ

今年のベスト作品です。

 

今年は岩波文庫率が高い。

 

■ 国内文学

5位 「桐島、部活やめるってよ」 浅井リョウ

荒削りな部分も感じられるけれど、この作品のタイトルの巧さと、設定の消化の仕方の巧さが結構お気に入り。

 

4位 「あるキング」 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎といえば、今年は「マリアビートル」を作品の舞台になっている「はやて」の中で読むという面白い楽しみ方もしたのだけれど、作品としてはこちらのほうが好き。マクベスを題材に、天才野球選手を描くのだけれど、フェアとファウルという言葉を上手く解釈して、作品全体がまとめられているのが面白かったです。

 

3位 「小さな男 静かな声」 吉田篤弘

吉田氏の作品に出てくるものは本当に毎回毎回ツボすぎる。結構長編なんですけど、ゆっくりとその世界観を味わいたい素敵な1冊です。

 

2位 「濁った激流にかかる橋」 伊井直行

大きな川で分断された街を舞台に、ものすごく独創的な世界観で書かれる連作短編集。文庫なのに1500円という価格に躊躇したけれど、それだけの価値がある面白さ。

 

1位 「横道世之介」 吉田修一

2012年最後に読んだ1冊です。80年代を舞台に大学生の主人公の1年を描くのだけれど、作中に登場する主人公の行動範囲がたまたま自分にもなじみのあるエリアが多かったので、ものすごい親近感を覚えてしまったために、評価が上がりました。主人公の青年がとても魅力的な爽やかな青春小説です。

 

 

国内の作品に関しては飛びぬけて面白かった作品がなかったというのが本音で、海外作品のトップ5と比べると、どの作品もそれよりか順位が低くなってしまうかなぁ。

 

■ 紀行文

・「35日間世界一周! part 1/part 2」 水谷さるころ

前作「30日間世界一周」と比べるとドタバタ感が薄れてしまっているのは否めないけれど、いろいろな乗り物に乗ったり、街の様子を丁寧に描いていたり、旅モノのコミックエッセイとしては非常に楽しい内容に仕上がっています。是非前作同様に番組をDVD化していただきたい。

 

■ コミック

今年初めて第1巻を読んだ作品から。

・「1/11」 中村 尚儁

サッカーにすべてをかける青年を軸に、彼と交わることで転機を迎えることになる様々な人々を描く連作短編作品。スポーツを題材にしてはいるけれど、サッカーの試合シーンなどで楽しませるのではなく、人間ドラマを中心にしているところが結構お気に入り。

 

 

・「君に届け」 椎名 軽穂

映画化もされて普通に人気のある作品ですが、読んでみたら、確かに面白い。ちょいと引っ張りすぎな気もするけれど。人気の出てしまった作品がダラダラと間延びしてしまうのは少女漫画でも同じなのだね・・・。

 

 

昨年以前から継続して読んでいる作品で、特に今年良かったなぁと思ったのは「海街diary 5 群青」。これまでの巻も面白かったけれど、その中でもちょっと群を抜いて完成度が高かったように思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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