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2013年2月

2013年2月26日 (火)

「勝手にふるえてろ」綿谷りさ

勝手にふるえてろ (文春文庫)

勝手にふるえてろ

綿谷りさ

.新潮文庫 12年8月
(original 2010)

久々の綿谷作品。インストールや蹴りたいは嫌いではなかったので、あれから年月が経ってどのような作品を書いたのか結構楽しみに読んでみました。

これまで男性経験のない26歳のオタク女子が、中学の時から片思いしているイチと自分に好意を持って接してくる職場の二との脳内二股に悩み成長していく姿を描く。

作品全体に流れる自然な雰囲気がなかなか心地よい1冊ですが、全体に軽すぎるくらいに軽かったかなぁ。1つ1つのエピソードも面白いし、結構印象に残る場面も多いし、割とストーリー性もあるんだけど、もうちょい重みがあったほうが作品がしまったように思います。

このタイプの人は自分の周りに少なくないし、自分も奥手なほうなので、多少デフォルメが強い感じはしましたが、このヒロインの気持ちは分からなくないです。ま、SNSでの行動力にはちょい驚いたし、自分が標的(表現が悪いですが・・・)にされたら結構ひいちゃうと思うけど。

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2013年2月23日 (土)

舞台「ロックオペラ モーツァルト」

ロックオペラ モーツァルト (ルージュ)

@東急シアターオーブ(10列目センター)

今年のミュージカル1本目です。

昨年見た「ロミオ&ジュリエット」が思いのほか面白かったので、フランスのミュージカル作品に興味が出ていたところに、同じく昨年鑑賞した「tick tick boom...」での印象が良かった山本耕史主演ということで、見てみることにしました。

物語はサリエリが語り部となってモーツァルトの人生を描いていくものなのですが、今回の公演はモーツァルトとサリエリを山本耕史と中川晃教が交互に演じるということで、どちらのチケットを取ろうか迷ったのですが、中川モーツァルト&山本サリエリのルージュ公演を鑑賞。理由はなんとなくです(笑)

観終えた直後にすごい勢いでツイッターで感想を書いたので、以下、それを引用しつつコメントを。

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映画「エターナルキス」

エターナル・キス [DVD]

Elivis & Anabelle

2007

日本未公開

DVD鑑賞

「ゴシップガールズ」でブレイクしたブレイク・ライヴリーの過去の未公開主演作がDVD化されたもの(DVD化されたのも1年以上前ですが)。本国での公開は当ブログ一押しの超名作「旅するジーンズ」シリーズの2作のちょうど間の時期みたいですね。

州のミスコンでグランプリに輝いたアナベル(ブレイク・ライヴリー)は授賞式で倒れそのまま息絶えてしまう。一方、エルヴィス(マックス・ミンゲラ)は母の死後体調を崩し働けなくなった父の代わりに葬儀屋をきりもりし、周囲には内緒で遺体処理もすべて1人で行っていた。そんな彼のもとにアナベルの遺体が運ばれ、そのあまりの美しさにエルヴィスが彼女にキスをすると、亡くなった彼女が生き返り・・・。

死んだ少女が生き返るということでファンタジーなのかと思いきや、ファンタジックな要素はそこだけで、孤独な若い男女が心を通わせていく様子を静かに美しく描く作品でした。DVDのパッケージもラブコメっぽい雰囲気ですが、作品全体に絶望的とも言える孤独感が満ち溢れていて、一筋縄ではいかない大人のおとぎ話といった感じの1本です。

ミスコン命の母から逃れて(アメリカの映画によく出てくる題材ですよね)、アナベルがエルヴィスの家に身を寄せるシーンがあるのですが、ブレイク・ライヴリーの魅力が爆発していて非常に爽やかで心地よい映像はかなりお気に入り。

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「決壊」平野啓一郎

決壊〈上〉 (新潮文庫)   決壊〈下〉 (新潮文庫)

決壊

平野啓一郎

.新潮文庫 11年5月
(original 2008)

2011年の5月に文庫が出たときにすぐに買って、しかもすぐに読み始めたにも関わらず、数十ページ読んだ時点で上巻が行方不明になってしまったのを、1年半以上かけて無事発見し、改めて最初から読み始めました。

ネットで匿名の日記を書くサラリーマンと彼に内緒でそのサイトの掲示板の常連として書き込みをするその妻。いじめに苦しむ中学生。そんな彼らのもとに忍び寄る悪魔の影を描く物語。

この作品の感想、結構いろいろなことを考えながら読んでいたのだけれど、もうね、千葉の総武線ユーザーとしてはラストシーンの衝撃が強すぎちゃって、全てそこに持って行かれちゃいました。まさかあんなところであんなことになってしまうとは・・・。

この作品、「最後の変身」や「顔のない裸体たち」でも描いてきたインターネットをからめて現代を生きる人々の心の闇をえぐっていくというテーマが長編としてみごとに結実していたように思います。盛り込みすぎなくらいにいろいろなことを盛り込んでいながら、それが破たんせずにギリギリのところでしっかりと長編としてまとまってたし。

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映画「LOOPER/ルーパー」

 

LOOPER/ルーパー

米 中

2012

2013年1月公開

劇場鑑賞

時間モノのSFが結構好きなこともあって楽しみにしていた1本です。

ジョセフ・シモンズ(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)は未来の組織から依頼を受け、指定された時間と場所に送られてくる未来世界の標的をその場で抹殺する「ルーパー」と呼ばれる殺し屋をしている。そんなあるとき、彼は標的として現れた30年後の自分(ブルース・ウィリス)を取り逃してしまい、そのことが原因で組織から追われるようになってしまう。一方、30年後のジョセフは未来世界を牛耳る「レインメーカー」と呼ばれる犯罪王になる幼い少年を探していて・・・。

未来の自分が殺しのターゲットくらいの予備知識で見たのですが、蓋を開けてみれば、未来の犯罪者を幼いうちに殺そうとする物語がからんでくるターミネーターのような物語でした。

この話、タイムトラベルが実現するという以外に、人類の何割かが、モノを浮かすことができる簡単な超能力を持つようになったという設定があって、最終的に時間モノSFに超能力がからんでくるエンタメ映画のお子様ランチみたいな盛りだくさんの内容。超能力設定は別にいらないのではないかと思って観てたんですけど、ちゃんとそれが上手く最後にうまく生かされていて、終盤はかなり楽しめたように思います。

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「夜な夜な天使は舞い降りる」 パヴェル・ブリッチ

夜な夜な天使は舞い降りる (はじめて出逢う世界のおはなし チェコ編)

夜な夜な天使は舞い降りる
はじめて出逢う世界のおはなし チェコ編
(Co si vyprávějí andělé?
Fantasy všedního dne)

パヴェル・ブリッチ
(Pavel Brycz)

東宣出版

(original 2011)

昨年刊行が始まった「はじめて出逢う世界のおはなし」というシリーズの第2弾です。第1弾はフィンランドの作家の作品でカルヴィーノを彷彿とさせるような哲学的なSFだったのですが、第2弾はチェコのファンタジー連作短編。手に取りやすい新書サイズで、2冊とも面白かったので、今後のラインナップにも期待したいです。

さてさて、そんなわけでチェコから届いた不思議な連作短編集です。

夜の教会を舞台に、守護天使たちがワインを片手に、これまで自分が守ってきた人間たちにまつわるエピソードを互いに聞かせあっているという設定で、様々な人間ドラマが語られます。

一話一話が10ページほどの長さで読みやすいのですが、結構深く一人の人生を語るものも多く、天使たちの視点で語られるという設定の面白さもあって、なかなか面白く読むことができました。

酔いどれ天使たちがワイワイやってる感じも良かったです。

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