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2013年2月23日 (土)

舞台「ロックオペラ モーツァルト」

ロックオペラ モーツァルト (ルージュ)

@東急シアターオーブ(10列目センター)

今年のミュージカル1本目です。

昨年見た「ロミオ&ジュリエット」が思いのほか面白かったので、フランスのミュージカル作品に興味が出ていたところに、同じく昨年鑑賞した「tick tick boom...」での印象が良かった山本耕史主演ということで、見てみることにしました。

物語はサリエリが語り部となってモーツァルトの人生を描いていくものなのですが、今回の公演はモーツァルトとサリエリを山本耕史と中川晃教が交互に演じるということで、どちらのチケットを取ろうか迷ったのですが、中川モーツァルト&山本サリエリのルージュ公演を鑑賞。理由はなんとなくです(笑)

観終えた直後にすごい勢いでツイッターで感想を書いたので、以下、それを引用しつつコメントを。

役者さん達は最高のパフォーマンスだったけれど、同じ3時間でDVDで「アマデウス」見る方が得られるものは大きいように思う。

これが観終えた直後の正直な感想です。だって色々と微妙だったんだもん・・・。キャスト陣への不満は全くないのですが、根本的に物語があまり面白くないとか、曲の編曲が微妙だとか、作品そのものにあまり魅力が感じられなかったのです。

たとえば音楽面でいうと、

冒頭の怒りの日が合唱にしてるのに微妙に上手くないとか、ラクリモサをソプラノだけで歌うと良さが半減以下とか、モーツァルトが題材なのにモーツァルト関連のとこでひっかかるとこも多い。

細かいことなんだけど、きらきら星変奏曲ってパリで曲が流行ってるの聴いて作ったんじゃなかったっけ?マンハイム時代のBGMだったり、弾いたりしてるのはokなのかな。

モーツァルトを題材にしたミュージカルなのにモーツァルトの曲の使い方が微妙だと思う場面がちらほらとありました。冒頭の部分に関して言えば、自分がやったことのある曲だったので無駄に気になってしまったということもあるのですが、ミュージカル向けの歌い方で合唱をするとやっぱりあまり合わないのですよね。てか、冒頭なのにいきなりレクイエムの怒りの日から始まるのも曲のカッコよさだけで選んだような感じがしてちょっと安易なのではないかと。

レクエイムつながりで、モーツァルトが合唱で作った曲なのに、ソプラノパートだけのソロで歌わせるってのはやっぱり良くない。しかも劇中でこの曲を作曲しながら和音のことを言ってる場面があるのに、ソロにしちゃったらそれが全く生かされないですよね。

あとモーツァルトの曲が少し入ると音楽の格の違いみたいのが際立ったかなぁ。モーツァルトが歌ってるにしては曲が凡庸すぎるのよ。全体に振り付けもファミリーミュージカルみたいな感じだったし。

で、本編にモーツァルト作曲の音楽が結構使われているのだけれど、そのせいでこのミュージカルの曲の軽さが際立ってしまったように思いました。ついでにいうと、「ロックオペラ」って言ってる割にロックっぽくないし。

な・の・で・す・が

この後、フランス版のサントラを聴いていたら、ちゃんとロックで、しかも曲も良いじゃないですか!日本版は歌い方が真面目すぎる&熱唱しすぎだったかなぁと。あとアレンジもちょっと違ってたように思います。

ストーリーも変にサリエリを絡めない方がスッキリしたのではないかなと思う。ラストのまとめ方もなんだかよく分からなかったし(自分の理解力が問題かもしれないけど)。

で、自分が一番消化不良の原因だと思っているのはこの部分。サリエリを絡めて、彼の視点でストーリーを作ってしまうと、どんなに頑張っても「アマデウス」に劣ってしまうのです。

キャストは本当に良かったと思います。モーツァルトとサリエリが逆のキャスティングが想像できないくらいに2人とも役に馴染んでたし。歌も皆さん聞き応えあったし。

中川氏のモーツァルトはやんちゃで純粋な感じがよく出ていたし、山本氏のサリエリは大人っぽさに溢れていて、この2人が逆の役を演じるなんてことは自分には全く想像がつかないくらいにハマっていましたね。

あと女性陣は歌い方がおとなしすぎるようにも思いましたが、皆さん好演で、とても良かったです。

豪華な衣装も見ていて楽しかったので、もやもやとした消化不良感は脚本などの根本的な部分によるところが大きいのだろうな。

そんなわけで、見どころはあるし、出演者も皆さん素晴らしかったのに、なぜか消化不良という不思議な作品でした。

しかし、フランス版サントラにはまってしまって、その後結構聞き込んでいるため、今観に行ったら、曲にかなり馴染みを持っていることもあって、前回よりも楽しめるのではないかとか思ってみたり。

 

 

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