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2013年3月

2013年3月28日 (木)

舞台「ウェディング・シンガー」

ミュージカル ウェディング・シンガー @ シアタークリエ

ヒットした映画をミュージカル化するパターンはあまり好きではないのですが、こちらは以前から気になっていた作品なので、思い切って観に行ってきました。本当は英語で観たいんですけどね・・・。

同タイトルの映画をベースに2006年にブロードウェーで上演されてトニー賞候補にもなった作品です。惜しくもトニー賞は逃しましたが(「ジャージー・ボーイズ」が受賞)、日本版は国内では結構人気みたいで再演もされて結構長く続いていますね。

ストーリーは基本的な部分は映画とほとんど同じです。

ロビー(井上芳雄)はサミー(吉野圭吾)とジョージ(新納慎也)と共にケータリング会社のウェディングバンドとして結婚式を盛り上げていた。そんな折、ロビーは結婚式当日に恋人リンダ(徳垣友子)から別れを告げられて絶望の淵に立たされてしまう。

そんなロビーを励ましたのは、ケータリング会社でウェイトレスをし、恋人のグレン(大澄賢也)との結婚を夢見るジュリア(高橋愛)であった。

明るくて楽しくて笑いに溢れた作品で、多くの人に愛されるのもよく分かります。

全体的にアットホームな舞台で温かみに溢れていたのは良かったのだけれど、演出というか、舞台道具にちょいちょい安っぽい印象を受けてしまったのが残念。飛行機とか、車とか・・・。これ、オリジナルのブロードウェーもこういうテイストだったのかな。

あと、ちょっと上演時間が長かったかなぁ。こういう明るいコメディって短めにまとめてくれた方が爽快に終わると思うのだけれど、インタミ含めて3時間ってのは、どんなに面白くても特に内容が深いわけでもなく、気軽に楽しめるラブコメとしては長すぎるように思います。この辺は今回のプロダクションどうこうではなくて、オリジナルの舞台の問題なのだけど。

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2013年3月26日 (火)

映画「ジャンゴ 繋がれざる者」

ジャンゴ 繋がれざる者(監督:クエンティン・タランティーノ 主演:ジェイミー・フォックス、 クリストフ・ワルツ) [DVD]

Django unchained

アメリカ

2012

2013年3月公開

劇場鑑賞

過剰に血しぶきが舞う作品が苦手なこともあってタランティーノ作品はどちらかというと得意ではないのですが(そもそもほとんど観てない)、今回はストーリーが面白そうだったので思い切って観てみることにしました。

舞台は南北戦争前のアメリカ南部。元歯科医の賞金稼ぎキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は狙っているヤマの素顔を知っている奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を連れ一仕事を終える。その後、シュルツはジャンゴに銃の手ほどきをし、二人はコンビで大活躍をする。

やがてジャンゴとシュルツは離れ離れになってしまった妻の居場所を見つけだし、シュルツと共に農園の領主キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)のもとへと向かうのだが・・・。

うーん、バンバンやるとこの過剰な血演出はやっぱり苦手でした。最後の方とか薄目で観てたよ・・・。好きな人はここで爽快感を得られるのだろうけど、自分のかすり傷でさえ直視できない自分は案の定気持ち悪くなってしまいました。

レトロな感じの作り方や映像の雰囲気はかなり好きだし、結構長い作品だったのに全く飽きさせなかったのは良かったのだけれど、冷静に考えてみると、軽さが目立ってしまって最終的には物足りない部分のほうが多かったかなぁ。そういう映画なのかもしれないけど。

この映画自体はつまらなくはなかったし、結構楽しんで観てたのだけれど、感想を書いてたら割と辛口になってしまいました・・・。

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2013年3月24日 (日)

「エムズワース卿の受難録」ウッドハウス

エムズワース卿の受難録 (文春文庫)

エムズワース卿の受難録
(The Misgivings of Lord Emsworth )

P・G・ウッドハウス
(P. G. Woodhouse)

文春文庫

文春文庫はウッドハウス作品を順調に文庫化してくれてるのが嬉しいですね。ウッドハウス選集はまだ2冊あるから今後も続々文庫化されることを期待。さらには文庫オリジナルで続刊も期待。

さて、こちらはエムズワース卿を主人公とするシリーズの短編を集めた1冊。

ブランディングス城を舞台にカボチャや豚の綿菓子のようは脳を持った貴族のエムズワース伯爵を中心に軽薄な息子フレデリック、執事のビーチ、妹のレディ・コンスタンスといった人々を巻き込んで繰り広げる大騒動を描く連作短編集です。

ウッドハウスのジーヴスシリーズではしっかりもののジーヴズが全体を引き締めていたのに対して、このシリーズはボケ役が多すぎだし、お互いが自分の言いたいことだけを言ってひたすらかみ合わない会話を続けたりで一向に物語が先に進まない場面もチラホラあって、面白いには面白のだけれど、真剣に読んでしまうと結構疲れます。そしてそのせいで、ジーヴズものよりも物語のドタバタ具合もかなり強烈。自分はジーヴズのほうが好きかなぁ。

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2013年3月18日 (月)

舞台「ノートルダム・ド・パリ」

98年のフランス発の大ヒットミュージカルの来日公演。当時はサントラ盤も世界的にヒットしていて、自分もネットを始めたばかりのころにこの作品の存在を知って、同じ原作のディズニーの「ノートルダムの鐘」が好きなこともあって、もう10年以上気になり続けていた作品でした。

しかし、今回の来日、なぜ英語版だったのか・・・。英語の方がまだ歌詞なんかが聞き取れて字幕に頼り切らなくて済むのは良いのだけれど、ミュージカルって作曲の時に歌詞の響きとかも考えられてるものだし、やっぱりオリジナルで観るのが一番だと思うので、できることならば、言葉は全く分からないけれどフランス語版で観たかったかなぁと。

今回は最前列で観たのだけれど、この作品はアクロバッティックなダンスが非常に迫力があって、それを目の前で観ることができたのは非常に面白かったです。

さて、このミュージカル、ストーリーは大雑把にはディズニーのとほぼ同じに進むのですが、こちらのほうがより原作に忠実らしく、ディズニーの中でも大人向け作品だと思われていた「ノートルダム」が実はかなりお子様向けに改変されていたのだということがよく分かる内容でした。

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2013年3月10日 (日)

映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」

 

Life of Pi

アメリカ

2012

2013年1月公開

劇場鑑賞

世界中で大ベストセラーになった原作を映像化した話題作。原作を読んだときにそのような印象が全くなかったのに、映像美が話題になっていることが気になったので、3D鑑賞しようと劇場へ行ってきました。

主人公"パイ"・パテル(スラージ・シャルマ)はインドで動物園を経営する父のもとに生まれ、彼が16歳の時に一家はカナダへ移住することになる。動物たちを連れて日本の貨物船に乗っていたところ、太平洋上で嵐に遭遇し、そのとき偶然デッキに出ていたパイは1人救命ボートに投げ出され、シマウマ、オランウータン、ハイエナ、トラと共に太平洋上を漂流することになってしまう。

物語はかなり原作に忠実。序盤の漂流し始めるまでが割合長くてちょいと退屈なとこもそのままです。主人公の宗教観など作品全体につながる少年時代の重要なエピソードが提示されるとはいえ、トラと漂流する話だと思って見にくると、なかなか本題が始まらないから意表をつかされます。ちなみに原作も漂流する前にリタイアしそうでした。

そんなわけで原作にかなり忠実な映画だったのですが、それにもかかわらず非常に魅力あふれる映像の連続だったかとにはかなり驚かされました。鑑賞前に、この作品は映像が美しいというのを耳にしてはいたけれど、原作には全くそのイメージがなかったので、これには本当にやられました。アカデミー賞で監督賞を受賞したのも納得です。

この原作、10年くらい前はどこの洋書売り場でも平積みになっていたし、実際に全世界で700万部(アマゾンさんのkindle版のページ参照)以上売れた作品で、「みんなが知っているあの物語がついに映画化」という側面も大きかったと思います。しかも、この作品はラストのどんでん返しが非常に印象的な作品なだけに、そこをネタバレした状態で観る人も少なくないことを考えると、映像化のハードルは高かったはずですが、アン・リー監督はそこを見事にクリアしたのではないでしょうか。

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2013年3月 6日 (水)

「乙女の密告」 赤染晶子

乙女の密告 (新潮文庫)

乙女の密告

赤染晶子

.新潮文庫 12年12月
(original 2010)

2010年の芥川賞受賞作が文庫化したので読んでみました。

舞台は京都の外国語大学。主人公のみか子はドバックマン教授のもとでイツ語のスピーチコンテストに向けて「アンネの日記」の暗唱に取り組んでいた。乙女と呼ばれる女学生たちの間で囁かれる教授に関する黒い噂、そして、乙女たちの世界とアンネの世界が交錯していって・・・。

「アンネの日記」と特殊な環境に置かれた女学生たちとを重ねて描こうとする意欲は非常に面白いと思うのだけれど、それが成功していたかというと、ちょっと物足りなかったように思います。

アンネは1人の少女の日記である以上に政治的な色合いも強く持っているし、人類の歴史においてかなり重い意味を持つ作品だと思うのだけれど、その一方で、そこに重ねられていく現代の少女たちの抱える闇は、比べ物にならないくらいに軽いと思うのですよね。根拠のない噂話に脅かされる心情を密告されるアンネとオーバーラップされてもなぁと。

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映画「王になった男」

 

광해, 왕이 된 남자

韓国

2012

2013年2月公開

劇場鑑賞

面白いという評判をよく耳にするので観に行ってきました。韓国の映画って面白い時の当たり率がやたらと高いのが多いように思います。

1616年、李氏朝鮮の第15代国王・光海君(イ・ビョンホン)は暗殺を恐れるあまり疑心暗鬼になり暴君と化していた。あるとき、国王は自分に瓜二つの道化師ハソン(イ・ビョンホン、二役)を影武者にしようと呼び寄せるが、その直後に国王が倒れてしまい、ハソンは急遽王の代わりとして表舞台に出ることになってしまう。慣れない宮廷生活に戸惑いながらも、ハソンは次第に政治のあり方に疑問を抱きはじめ・・・。

自分は東洋の歴史モノがあまり得意ではないのですが、それでもこの作品はなかなか面白かったです。主人公が宮廷の外からやってきた道化師という設定なので、宮廷のあり方や当時の政治情勢をハソンと一緒に学びながら物語が進むという形だったのも見やすかったですね。

これは国王やら道化やらっていうよりも、とにかく家臣がカッコイイ映画で、終盤は彼らの熱い生きざまに胸が熱くなり思わず涙が出てしまうくらいに良かったですよ。特に、ト部将は中盤の展開で最後の行動がある程度読めていたにも関わらず、あまりのカッコよさにしびれてしまいました。

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2013年3月 5日 (火)

「残り全部バケーション」伊坂幸太郎

残り全部バケーション

残り全部バケーション

伊坂幸太郎

.集英社 2012

伊坂幸太郎の現時点での最新作です。普段は文庫派なのですが、職場にて伊坂好きの同僚から文庫まで待つのはもったいないくらいに面白かったからと貸していただきました。確かに面白かったので、感謝!

物語は裏稼業に生きる溝口と岡田という2人の男を軸にした連作短編で、それぞれの短編で舞台となる時間も違うし、主役となる人物も変わるので、一見すると同じ世界観で書かれた短編集のように思えるのですが、最終話でそれまでの短編に出てきた様々な要素が一気につながって、この本全体で1つの長編のようになっているというなかなか面白い1冊。

こういう連作短編の手法は加納朋子が抜群に巧くて、初めて加納作品を読んだ時ほどの感動はなかったけれど、それでも久々に伏線が回収されていく伊坂作品の爽快感を味わうことができたのが嬉しかったです。

あと、全作品を通して、携帯電話やらスマホやら、公衆電話やらデジカメやら、デジタルな機器が結構キーとなって登場して、それぞれのデバイスの特性が作品の中でしっかりと生かされているのも面白いですね。

伊坂氏の連作短編は「チルドレン」や「死神の精度」があるけれど、自分はこの作品が一番好きですね。

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2013年3月 4日 (月)

映画「Black & White/ブラック & ホワイト」

Black&White/ブラック&ホワイト エクステンデッド・エディション 2枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー〔初回生産限定 [Blu-ray]

black & white

2012

2012年4月公開

DVD鑑賞

軽い感じで楽しめる映画を観たいなと思って借りてきました。

やんちゃなロマンチストのFDR(クリス・パイン)と知的な英国紳士のタック(トム・ハーディ)はコンビを組んで数々の難事件を解決してきたCIAの敏腕エージェント。あるとき、タックはネットで知り合ったローレン(リース・ウィザー=スプーン)とデートをすることになり、ローレンはそのデートの帰りにレンタルビデオ店でFDRにナンパされてしまう。知らずに同じ女性に恋をしてしまった2人は、彼女に近づくため職権を乱用しあの手この手で彼女のハートをつかもうと激しい競争を繰り広げることになり・・・

同じ女性を好きになってしまった2人のバトル映画だと思っていたところ、割と2股に悩むローレンのこともしっかりと描かれて、3者3様のドタバタが見られたのは面白かったですね。ただ、個人的にはもうちょっとバカバカしく派手に暴れてもらっても良かったかなぁと。

あと、ブラック&ホワイトっていうタイトルなので、2人の性格の違いがもっと極端に強調された方が楽しかったかも。意外とそこまで笑えなかったんですよね・・・。

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2013年3月 1日 (金)

映画「テッド」

 

ted

2012

2013年1月公開

劇場鑑賞

クマさんの可愛さと、お子様は見られない指定がついているのと、アメリカのサブカルネタがたくさんという話を聞いてとても気になっていた1本です。

1985年、ジョン・ベネット少年は友人がいなく寂しい思いをしていた。あるときプレゼントでもらったテディベアのテッドに命が宿るよう願うと、その翌朝、テッドが動き喋るようになっていて、2人は親友となった。

その後テッドはマスコミをにぎわせ一躍時の人となったが、そんなブームはすぐに去り、2012年、大人になったジョン(マーク・ウォールバーグ)は今でもテッド(声:セス・マクファーレン)と一緒に過ごし、2人は酒やドラッグを片手に大好きな「フラッシュゴードン」を楽しむ日々を送っていた。そんな2人の姿に、ジョンの恋人ロリ(ミラ・キュニス)はテッドと自分とどちらが大切なのか問い詰めるのだが・・・。

テッド可愛すぎるよぅ!もうメロメロで首ったけだよぅ。

しかし、この映画、大ヒットしてるけど、どれだけの人がサブカルネタについていけてるのでしょうか・・・。結構どぎつい下ネタもあるし。ネタが分かるところは本当に面白いのだけれど、何だかよく分からないところはやっぱりちょっと白けちゃう場面もあるんですよね。劇場は10代、20代の若い世代が多かったのだけど、80年代のネタが多いこともあって、やっぱりサブカル系の小ネタで笑ってる人はかなり少なかったなぁという印象でした。

ストーリーは後半が意外にもちょっとアクションっぽい展開になって結構盛りだくさんで楽しめる内容でした。娯楽作品としては、とても良い映画だったと思います。

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