« 映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」 | トップページ | 「エムズワース卿の受難録」ウッドハウス »

2013年3月18日 (月)

舞台「ノートルダム・ド・パリ」

98年のフランス発の大ヒットミュージカルの来日公演。当時はサントラ盤も世界的にヒットしていて、自分もネットを始めたばかりのころにこの作品の存在を知って、同じ原作のディズニーの「ノートルダムの鐘」が好きなこともあって、もう10年以上気になり続けていた作品でした。

しかし、今回の来日、なぜ英語版だったのか・・・。英語の方がまだ歌詞なんかが聞き取れて字幕に頼り切らなくて済むのは良いのだけれど、ミュージカルって作曲の時に歌詞の響きとかも考えられてるものだし、やっぱりオリジナルで観るのが一番だと思うので、できることならば、言葉は全く分からないけれどフランス語版で観たかったかなぁと。

今回は最前列で観たのだけれど、この作品はアクロバッティックなダンスが非常に迫力があって、それを目の前で観ることができたのは非常に面白かったです。

さて、このミュージカル、ストーリーは大雑把にはディズニーのとほぼ同じに進むのですが、こちらのほうがより原作に忠実らしく、ディズニーの中でも大人向け作品だと思われていた「ノートルダム」が実はかなりお子様向けに改変されていたのだということがよく分かる内容でした。

なんといっても、エスメラルダが人妻だというのが一番の違いですかね。そしてフェビュスにも婚約者がいるので、この2人が惹かれあう部分はW不倫なのです。一幕の最後のほうでフェビュスが葛藤する歌があるんですが、「俺は2人とも愛する自信がある!」と歌い叫んでるあたりが非常にフレンチでした。

ただ、主な男性陣たちが皆そろってエスメラルダに惹かれる理由がいまいち伝わってこなかったのがちょいと残念。あと、カジモドがあまり存在感のないキャラになっていたので、ラスト、一番おいしいところを持っていくのだけど、そこもあまり感動できなかったかなぁ。

(実は最前列で観ていて、手の届きそうな距離にラストのカジモドとエスメラルダがいたのですが、近すぎたせいで、カジモドが半端ない量の汗をかいていて、それがエスメラルダの顔に滴り落ちているのが気になってしまって、物語に集中できなかったというのもあるのですが・・・。)

ミュージカルとはいうものの、この作品はシルク・ド・ソレイユのスタッフが参加しているとかで、ダンスなんて言うレベルではないやたらと派手なアクロバットが舞台全体を使ってダイナミックに繰り広げられていました。

しかし、そのせいで、演劇っぽい要素がかなり薄くて、ほとんど台詞がない&歌もひたすらアリアという感じだったので、物語が繊細に描かれるということがなかったのがちょっと物足りない部分でもありました。

あと、歌がそれほど印象に残らない。一番良かったのが1曲で、次によかったのがラストの曲なんだけど(ほかの曲はほとんど覚えていない)、出だしと、終わりが良かったからなんとなく満足感は得られるけど、途中はアクロバットも特にない部分はちょいと退屈なところもありました。

そんな中、一番楽しかったシーンは2幕のはじめにある鐘を使った場面。宙にある鐘の中でのアクロバットは見応えがありました。特に、最前列だと見上げる感じになるので、高さがダイレクトに感じられて、とっても良かったです。

この作品の演出陣はマカオで上演されているシルク・ド・ソレイユの「Zaia」と同じクリエーターさんのようですが、以前マカオに行ったときに観た「Zaia」はかなり面白かったので、このあたりの見応えは納得です。

うーん、やっぱり、「物語」がもっと語られたら良かったかなぁ。ディズニー版はフロローが合いに苦しむ歌の完成度の高さとか鳥肌ものだもんね。両者の良いとこどりみたいな作品があったら面白いかも。

***

ちなみにディズニーさんも1990年代の終わりにノートルダムを舞台化していて、ベルリンでだけ上演されていたのですが、こちらはドイツの最長ロングラン記録を持つほどのヒットになったにもかかわらず、その後他の地域で上演されていないのですよね。

恐らく、このフランスの作品が先に大ヒットになってしまったことも関係しているのだと思うけど、ディズニー版の方が曲が圧倒的に良いので、ディズニーのほうの舞台版も是非観たいです。英版Wikiによると、作曲のアラン・メンケンが英語版舞台の計画が進んでいることを認めたとかいう記述もあるので、結構期待しています。

|

« 映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」 | トップページ | 「エムズワース卿の受難録」ウッドハウス »

ミュージカル」カテゴリの記事

舞台」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145222/56930869

この記事へのトラックバック一覧です: 舞台「ノートルダム・ド・パリ」:

» ノートルダム・ド・パリ [coco2の喝采ステージ]
ノートルダム・ド・パリ  2013年3月 珍しいフレンスミュージカル英語版の来日 [続きを読む]

受信: 2013年3月24日 (日) 10時13分

« 映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」 | トップページ | 「エムズワース卿の受難録」ウッドハウス »