2013年いろいろ大賞 書籍編
2013年のまとめ、書籍編です。
映画と同様に読書量もかなり減ってしまい、そんなに読めなかったのですが、とりあえずランキング形式で振り返っていきます。
国内文学
第5位「メグル」乾ルカ
大学の学生部で紹介されるアルバイトで様々な体験をする学生たちを描く連作短編集。基本的に幻想系の話なのだけれど、いろいろなテイストの物語が詰まっていて、なかなか面白い作品でした。予想を裏切る方向のオチがついた犬の話が特に印象的。
第4位「ペンギン・ハイウェイ」 森見登美彦
夏にぴったりのジュブナイルSFでこれまでの森見作品とはガラリと変わった雰囲気がまた面白かったです。透明感のある作品で、アニメ化しても良さそうです。ラブストーリーとしても森見作品の中では一番好きかもしれません。
第3位「オープン・セサミ」 久保寺健彦
色々な年代の主人公の初体験を描く連作短編集。この作家はとても器用に作品を書くという印象で、収録されている短編がどれも面白く、読後感の良い隠れた良作だと思います。
第2位「これでよろしくて?」 川上弘美
川上作品はこのところ艶っぽすぎる感じで苦手なのが多かったのだけれど、これは久々に面白かった!主人公の置かれた環境に変に共感できちゃうと辛いのかもしれないけれど、未婚の自分は完全に傍観者の立場で読めましたし。
第1位「死美人辻馬車」 北原尚彦
19世紀の英国を舞台にした幻想短編集っていうのが自分のツボにはまりすぎてしまいました。同じ作者の「首吊り少女亭」(タイトルからして良い)も入手したので、そちらを読むのも楽しみ。
外国文学
次点「異星人の郷」 マイクル・フリン
SFでありながら中世ドイツの生活を緻密に描くというギャップがなんとも言えず面白かった作品。中盤少し中だるみを感じていたものの、時空を超えたやたらめったら壮大なラストになんだかとっても感動してしまい読後感が非常に良かったです。
第5位「足音がやってくる」 マーガレット・マーヒ
岩波少年文庫の未読作品はちょいちょい読むようにしているのですが、これもそんな1冊。ホラーテイストの導入部分から、一族の秘密まで話が広がっていく先の読めない展開が面白かったです。ただ、これ子供の時読んでたらトラウマになりかねないくらい怖い場面がありましたよ・・・。
第4位「Sweet Tooth」 Ian McEwan
マキューアンの最新作はスパイ小説。作中に出てくる作家が書いたという設定の作中短編小説がやたらと面白いです。
第3位「シャルビューク夫人の肖像」 ジェフリー・フォード
姿を観ないで肖像画を描くという難題と、世間を騒がせる奇病というミステリアスな物語が純粋に面白かったです。19世紀末を舞台にした幻想的な作品ってロンドンが舞台になることが多いけれど、これはニューヨークが舞台というところも新鮮でした。
第2位「わたしの名は赤」 オルハン・パムク
文庫化と同時に購入したのに、すぐに行方不明になってしまったものをついに発掘することに成功し、ようやく読むことができました。
偶像崇拝を禁止するイスラム圏における絵画というモチーフがまず非常に興味深いのだけれど、「藪の中」形式で展開するミステリーというスタイルで、登場人物などの語りによって交錯する様々な思いが描かれていくのがとても面白かったです。こんなに盛り沢山で深い作品なのに、エンタメ作品としての面白さがしっかりとあるところはお見事としか言いようがありません。
第1位「タタール人の砂漠」 ディーノ・ブッツァーティ
短編作品が好きだったブッツァーティの長編はやっぱり抜群に面白かったです。こういうカフカ的な不条理なお話はかなり好きなのです。
旅行記
第3位「恐怖の報酬日記」 恩田陸
人気作家さんですが、著作を読むのは初です。初めての海外旅行で英国を訪れた旅行記なのですが、飛行機への恐怖心を延々と綴られていたりして、マイペースに書かれているのがとても面白かったです。
第2位「35日間世界一周」 水谷さるころ
TV番組の企画で世界一周をした漫画家さんによる世界一周コミックエッセイ第2弾。全5巻のうち4巻までが刊行されましたが、前作に比べてちょっと旅慣れてしまってハプニングが少な目なのがやや物足りないものの、一緒に旅をしているような、現地の空気感がよく伝わってくる作風は健在です。これまで見たことのある中で、最も南米に行くモチベーションが下がるウユニ塩湖編がかなり好きです。
第1位「日本その日その日」 エドワード・モース
貝塚でおなじみのモース博士の日本滞在記。治安の良さを述べるにあたり、貴重品をわざと部屋に置いてくという実験までしてしまう好奇心旺盛な博士の姿が微笑ましいです。観光名所的なところもたくさん訪れているのに、歴史的な建造物のことはほとんど書かずに、ひたすら人々の生活を細かく描写しているところが面白かったです。
コミック
今年第1巻を読んだ作品の中で特に面白かったものを。
「放課後カルテ」 日生マユ
小学校の保健室を舞台に保健の先生が直面する様々なできごとを描く作品。一話完結スタイルなのですが、各話のクオリティも総じて高くて、ほんわかとしたタッチの画なので、話も重くなりすぎず読みやすい作品です。
「みどりの星」 真造圭伍
2013年、一番ハマった作品。第1巻のスピード感とワクワク感は素晴らしい。
「帝一の国」 古谷兎丸
正確には、以前第1巻だけをちょっと読んでいたのだけれど、これはある程度話が進んでからまとめて読んだ方が面白いだろうなと思い、キープしていた作品です。
昭和の世界観を舞台に描かれる無駄に熱い生徒会選挙の物語。非常に下らなくて、バカすぎる内容なのに、絵画的な美しささえ感じられる画で大真面目に描かれているギャップが最高に面白いです。今年一番笑ったマンガだと思います。
「月影ベイベ」 小玉ユキ
この作者も安定して面白いですね。マイナーな伝統芸能という題材の面白さと、昼ドラ的なドロドロさを感じる物語とのバランスが非常に巧くて、今後どのようにまとめていくのかが楽しみ。
「ナナマルサンバツ」 杉基イクラ
クイズ研究会を題材にした熱血部活マンガ。クイズの奥深さも面白いし、普通に部活マンガとしても面白い。最近のテレビのクイズって雑学的な内容よりも、学校の教科書的な知識を競うほうが主流だけれど、こういう正統派クイズの方がやっぱり面白いと思う「ウルトラクイズ」世代なのです。
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 2013年いろいろ大賞 書籍編(2014.01.19)
- 「足音がやってくる」マーガレット・マーヒー(2013.05.30)
- 「SOSの猿」伊坂幸太郎(2013.05.05)
- 「死美人辻馬車」北原尚彦(2013.05.16)
- 「俺の職歴」ミハイル・ゾーシチェンコ(2013.04.01)
「年間大賞」カテゴリの記事
- 2013年いろいろ大賞 書籍編(2014.01.19)
- 2013年いろいろ大賞 映画編(2014.01.12)
- 2013年いろいろ大賞 舞台編(2014.01.05)
- 2005年色々大賞(やや修正)(2005.12.31)
この記事へのコメントは終了しました。

コメント