ミュージカル

2009年9月 7日 (月)

夏の来日ミュージカルまとめ

シリーズ 夏の終わりに ③

この夏はミュージカルの来日ラッシュということで、たっぷりと堪能してきました。

この夏来日した作品、

① ウエスト・サイド・ストーリー 1957年

② コーラス・ライン 1975年

③ RENT 1996年

とそれぞれオリジナルの公演がほぼ20年おきで、さらに、3作品とも、ミュージカル史において、非常に重要な位置を占めているランドマーク的作品ばかり。これらを一気に鑑賞できる機会はミュージカル好きとしては見逃せないですよ!

ちなみに、映画もですが、「原語」を好むので、和訳ミュージカルよりも、来日公演のほうがずっとテンションが上がるんですよねぇ。とか言いつつ、7月にやってた「Sunday in the park with George」はかなり観たかったし、四季の「ウィキット」と「春のめざめ」も観たいなぁと思ってるうちに終わっちゃって残念なのですが。

かなり個別記事と重複したこと書いてますが、せっかくなのでミュージカルのまとめ記事を。

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2009年9月 1日 (火)

RENT 千秋楽その2

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RENT the broadway tour 2009 千秋楽 @赤坂ACTシアター

8月30日 

1階I列 上手側

(その1はこちら

一晩経ってるのに、頭の中から舞台の光景が離れません。

うーん、多分しばらくの間、サントラ聞いたり、DVD観たりする必要ないですな。むしろ、そんな行為でこの舞台の記憶を上書きしたくないと本気で思ってます。

ミュージカルを観に行ったあとはたいてい、サントラを聞きまくる生活になるのに、こんな風に感じたのは今回が初ですよ。ペーパーバックのRENTの脚本(キャストたちのサインで表紙が埋め尽くされた!)で台詞の1つ1つを読みながら、脳内であの舞台を再現させてます。

そんなわけで、その1の記事に続いて、もうちょっと詳しく千秋楽の様子などをつづってみたいと思います。

 

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2009年8月31日 (月)

RENT千秋楽 その1

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RENT the broadway tour 2009 千秋楽

Thank you, JONATHAN LARSON!!

というわけで予告通り、この夏のミュージカル祭りの最後を締めくくるRENTの来日公演千秋楽に行ってきました。

もう少し落ち着いたら会場の様子などもちょっと書いて見たいと思いますが、その前に、この千秋楽の舞台の簡単な感想を。

 

今後、人生でこの舞台を越える舞台を生で観ることなんて不可能なのではないか、と本気で思えるくらいに素晴らしい舞台でした。自分は今、とんでもない舞台を観ているのではないかというゾクゾク感がいつまでも続くような感じ。

全キャストが、自分に与えられた役割を完璧にこなすばかりではなく、観客の期待をはるかに超える素晴らしいパフォーマンスでそれをこなしていて、先週見た同キャストによる舞台でさえ比べ物にならないくらいの最高のパフォーマンス。千秋楽のパワーは半端なかったです。

まさに全場面がクライマックスで、どの場面もどの曲も、いつまでも観ていたい、聞いていたい、と思わせ、2時間半があっという間に過ぎ去りました。

4月、千秋楽のチケットをとることができたときには歓喜に包まれたのですが、この舞台を観ることができたのは生涯忘れえぬ貴重な宝です。一生、舞台でRENTを観ることができなくても、もう何の後悔もありません。

あーーー、なんかしばらくサントラCDもDVDも観なくていいや。今日の舞台の記憶が薄れるまでは他のRENTで上書きしたくない!!

キャストの皆様、来日公演を実現してくださったスタッフの皆様、千秋楽の熱い客席を共有できた観客の皆様、そしてそしてそして、この作品を作り上げた亡きジョナサン・ラーソン氏に最高の感謝の念をこめまして、THANK YOU!と伝えたいと思います。

そんなわけで詳しい千秋楽レポはまた後で。

その2 につづく。

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2009年8月29日 (土)

来日公演 「A Chorus Line」

コーラスライン

オーチャードホール@1階最前列センターブロック

 

09年夏の来日ミュージカル祭り第3弾。

映画版「コーラス・ライン」はなんどか観たことがあって(最後の「ONE」だけは本当に好きで、DVDで数え切れないくらい観てるのですが)、昨年、ドキュメンタリー映画「ブロードウェイ♪ブロードウェイ」に感動し、今回の来日公演はとても楽しみにしていました。

これ、映画版と舞台版、曲とかがちょっと違っていたりはするのですが、大枠は同じ。とあるミュージカルのコーラス隊のオーディション会場を舞台に、監督が皆に自分自身のことを語るように言い、候補者たちが自分たちの人生について語り始めるという内容。

主役ではないその他大勢のバックダンサーではあるけれど、ブロードウェーでの仕事を得るためのダンサーたちの熱い思いが素晴らしい楽曲の数々とともに描かれていきます。

いや~、微妙な点もあったのですが、それでも良かったです。この作品を舞台で観ることができたことにただただ感謝です。やっぱり映画よりも生です!!

最前列だったので、前を遮るものが何もなく、ダイレクトに役者さん達の息使いが感じられたのがとても良かったです!字幕は見づらいですが、英語もそんなに大変な作品ではなかったので、ちょっと頑張りました。

ただ、オケピが目の前にあるため、オケの音が強くて舞台上の台詞や歌が聞こえづらい場面がチラホラと。会場全体の音響が原因なのか、自分の席だけの問題なのかは分かりませんが・・・

以下、思ったことを時系列でつらつらと。

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2009年8月25日 (火)

来日公演 RENT The Broadway Tour ( '09)

RENT The Broadway Tour

@赤坂ACTシアター 2階B列鑑賞

 

この夏はミュージカルの夏!ということで、ウエスト・サイド・ストーリーに続き、RENTも観てきましたよ!

最初に映画を観たときはそこまでハマらなかったのに、その後ブロードウェー版のサントラを聞き続けるうちにあれよあれよと大ファンになってしまい、1年半前の来日公演も存分に堪能したRENT。(ちなみに映画版は今でもやや微妙だと思うことがチラホラ。)

今年の来日キャストは、2軍的なキャストが来ることが多い来日公演のなかではまさに奇跡のキャスティング。ほぼ全キャストがブロードウェー版RENTに出演経験有りなのです。

とりわけ、初演キャストで、映画版にも出演しているアンソニー・ラップとアダム・パスカルが出演するということで、これは見逃すことの出来ないと思い、頑張ってチケットをゲット。先日、ついに夢の舞台を存分に感動してきました。

2階席は遠いけど、センターだったので、舞台全体が綺麗に見渡せるのが良かったです。あと、ライフサポートがとても観やすかったです(笑)

さらにいうと、ばみり用のテープが大量に張られているのがしっかりと確認できて、大道具の位置が変わるたびに、この場面はあの色のテープなのかぁ、とか分かっちゃうのも面白かったですよ。

  

■全般的な感想

感無量。

見終わって思ったのは1年半前のツアーキャストは若さに溢れていたけど、優等生的な舞台だったのだな、と。今回はとにかくパワフルで、力強かったです。これがブロードウェーだ!というのを見せ付けられたように思います。

ただただ感動でした。

ただ、ちょっと音響が・・・。作中でジョアンヌは音響トラブルにあってますが、会場の音響さん、頑張って!とちょっと気になる箇所がチラホラ。

あと割と皆さん小芝居が多くて、見所満載でした。

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2009年8月 1日 (土)

来日ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」

West Side Story
50th Anniversary World Tour

@オーチャードホール

2009.7.31

トニー:チャド・ヒリガス

マリア:ケンドール・ケリー

 

ついにミュージカルの夏が到来しました!!

この1ヶ月、この「ウェスト・サイド・ストーリー」50周年記念ツアーを皮切りに、「コーラス・ライン」、「RENT」と熱い来日公演が続きます!!そんなわけで8月は特別ミュージカル月間として、いつもよりミュージカル系の記事が多めにアップされる予定です☆

さて、「ウェスト・サイド・ストーリー」といえば、映画版があまりにも有名ですが、以前から舞台版も観たいなぁと思っていたので、今回ついに念願かなっての観劇となり非常に楽しみにしていました。でもって、あまりに楽しみにしていたあまり、数日前から指をならして歩いたり、できもしないのに片足あげたりしちゃってました(笑)

舞台はNYのウェストサイド。不良少年たちジェット団の縄張りにプエルトリコ移民の少年達によるシャーク団が入ってくるようになり警察の目を盗んでは激しい抗争が繰りひろげられていた。

そんなとき、ダンス大会が行われることになり、その会場で、かつてジェット団のリーダーだったトニーと、シャーク団リーダー、ベルナルドの妹マリアが恋に落ちてしまう・・・

鉄骨メインのシンプルなセットの背景に白黒のNYの街の写真が映された舞台に、カラフルな衣装が映えて、シンプルながら見ごたえのある演出。セットの移動も多くてなかなか面白かったです。

舞台で見るとストーリーが直球ストレートに「ロミオとジュリエット」をそのまま踏襲しているのがよく感じられますね。しかし、そこに移民社会のかかえる問題なんかも見事に盛り込んで、50年前の作品ながら、現代にも十分通じる普遍的なメッセージを詰め込んでいるのは、もう見事としか言いようがありません。

以下舞台の流れに沿って簡単な感想を。

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2009年1月31日 (土)

映画「マンマ・ミーア!」

マンマ・ミーア!-ザ・ムーヴィー・サウンドトラック デラックス・エディション(DVD付)

mamma mia!

2008年

アメリカ イギリス ドイツ

09年1月公開 劇場鑑賞

映画版が作られるという話を聞いてからずーっと観たかった作品がようやく日本公開。勢いにのって初日に観にいってしまいました。

結婚式を控えた20歳のソフィ(アマンダ・セイフライド)は、母親ドナ(メリル・ストリープ)の20年前の日記を偶然発見し、これまで不明だった自分の父親の候補となる男が3人いることを知り、母親に内緒で3人に結婚式の招待状を送る。

こうして島にやってきた建築家のサム(ピアース・ブロスナン)、銀行マンのハリー(コリン・ファース)、冒険家のビル(ステラン・スカルスガルド)の3人は島にやってくるのだが・・・。

果たしてソフィの本当の父親は誰なのか?結婚式のために集った仲間たちを交えて、大騒動の2日間をABBAの楽曲にのせて描くミュージカル。

いやー、もう帰りはずっと歌っちゃってました♪

とにかく明るく楽しい作品で、もう細かいことなんかどうでも良いから、歌って踊って弾けたもの勝ちみたいな作品で、ノリでおしておしておしまくる感じの1本でした。

舞台版は劇団四季のを観たい観たいと思っているうちに、東京公演が終了してしまい見逃してしまっていたので、舞台との比較ができないのが残念なんですが、映画ならではの楽しみはやはり、エーゲ海の素晴らしい風景をたっぷりと堪能することができることではないでしょうか。それだけでも、この作品を映画化した価値は充分にあるように思います。ギリシア行きたい!

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2008年11月14日 (金)

映画「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」

コーラスライン-ニュー・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング/映画「ブロードウェイ(音符記号)ブロードウェイ~コーラスラインにかける夢」サウンドトラック

every little step

2008年

アメリカ

ミュージカルの傑作の1つ「コラースライン」が2006年にブロードウェイでリバイバル上演されることになった時の8ヶ月に亘るオーディションの様子を追ったドキュメンタリーということで、とても観たかった作品。これからご覧になられる方は、映画版で良いので一度「コーラスライン」を観てから行かれることを強くオススメします。

06年にコーラスラインがリバイバル上演される際、19の役を手に入れるために集ったのはプロ・アマ含めて3000人。カメラは「コーラスライン」という作品がどのようにして作られたのかという作品誕生の裏側を描きながら、作中に登場するキャラクターたちと、オーディションを受ける候補者たちとの姿を重ねていく・・・。

全体に、「コーラスライン」という作品そのものの誕生秘話も結構しっかりと描かれていて、当時の貴重な資料も数多く出てきたので、単にオーディションを追うだけのドキュメントだけだと思っていた自分はちょっとビックリ。

しかししかししかし、これはとんでもなく良くできたドキュメンタリーだったと思います。ミュージカルが好きな自分は90分間画面に釘付けでしたが、そうでなくとも、恐らく十分楽しめる1本ではないかと。

「コーラスライン」という作品そのものが、「ミュージカルの『その他大勢』(コーラス)の役を得るためにオーディションを受ける人々」を描いた作品なので、ブロードウェイのオーディションの様子を追ったドキュメンタリーとはいえ、この映画そのものが「コーラスライン」の映画化といってもおかしくないような内容になっているのです。

実際、ドキュメンタリー中にミュージカルの曲も数多く使われているのですが、その1つ1つが、候補者達の姿を捉えるのに非常に上手くマッチしていましたし。

いやぁ、ブロードウェイのオーディションってのは本当にすごいですね。熱い!!

でもって最終的に役を射止める候補者たちが、最初の3000人が集る風景の中でもちゃんと「あ、この人は良いな」と印象に残る人たちなんですよね。歌とか踊りとか、全体のオーラとかが明らかに違うというか。最後に残ったメンバーたちを見たときにちゃんと納得できる結果になってるんだもんなぁ。てか、ついつい観ながら自分も審査員の一人みたいな気分になってしまったり・・・。

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2008年8月14日 (木)

映画「アクロス・ザ・ユニバース」

Across the Universe

across the universe

2007年

アメリカ

ジュリー・テイモア監督がビートルズの楽曲33曲を使って撮影したミュージカル映画というだけで、他の情報は何も得ずに、これは絶対に見なければ!と思った作品。

舞台は1960年代。リヴァプールの造船所で働く主人公ジュードは、未婚の母と2人で暮らしていたが、米兵だった父に会うためにアメリカへと渡る。大学の職員として働く父と再会したジュードは、そこでマックスという学生と知り合い意気投合。やがて、新しい人生を探しにマックスと2人でNYへと向かう。

NYでは若き芸術家たちが集うグリニッジ・ヴィレッジのアパートで、歌手やギタリストたちと共に過ごし、やがて、彼らのアパートにベトナムで恋人が戦死したマックスの妹のルーシーがやってきて一緒に暮らすようになる。ジュードとルーシーは恋に落ちるが、やがて、マックスのもとに徴兵の召集がかかり・・・。

60年代のNYを舞台に、イギリスから来た青年ジュードとルーシーの恋を中心に、アーティスト志望の若者達や、ベトナム戦争という時代に翻弄される若者達の姿をビートルズのナンバーと、圧倒的なビジュアルイメージにのせて描き出すミュージカル映画。

テイモア監督は、ミュージカル「ライオンキング」での驚きの顔出し演出(しかも動物に見える)に度肝を抜かれ、シェイクスピアで最も残酷な悲劇を映画化した「タイタス」では、驚きの時代考証メチャクチャのスタイリッシュ演出に脱帽し、「フリーダ」でのシュール映像の世界と女性画家見つめる眼差しにこれまた驚嘆し、毎度毎度驚かされてばかりですが、今回も、またまたまたやってくれました!

序盤は、何か割と普通の映画にしてるんだなぁと思って見ていたら、中盤以降、強烈なインパクトのあるアート的映像の嵐。見世物小屋ではシュヴァンクマイエルかと見紛うばかりのシュール映像も炸裂してました。それでいて、それらが、シュールな幻想世界ではなくて、映画の中でしっかりと現実世界に足をおろしているという構成がまたまた非常に上手い。

ストーリーは芸術家志望の若者達が集うってこともあって60年代版RENTといった雰囲気もあってなかなか面白かったです。ワイワイガヤガヤする青春ストーリーの楽しさと、辛い現実が程好く描かれたのが良かったなと。

ま、恋人に素晴らしい歌とともに旅立ちを告げた直後に、一目ぼれしちゃうのはどうかとか、「LOVE&PEACE」が現代的感覚だとちょっと今さら感があるかなぁとか、2時間越えるのは長いかなぁとかありましたが。

全曲ビートルズを使ったミュージカルシーンも、出演者達の歌が抜群に上手くて観ていて気持ち良いのだけれど、それ以前に、選曲と、それを使うタイミングがまた絶妙で、さらには、場面に合わせてとても上手いアレンジをしていて、かなり見ごたえのある作品でした。

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2008年7月24日 (木)

映画「掠奪された七人の花嫁」

掠奪された七人の花嫁 スペシャル・エディション

seven brides for seven brothers

1954年

アメリカ

たまに掲載している昔のミュージカル作品を楽しもう企画です。

『雨に唄えば』のスタンリー・ドーネン監督によるミュージカルで、アカデミー賞の作品賞候補にもなった作品(ちなみに受賞したのは『波止場』)。

舞台は西部開拓時代のオレゴン。町から離れた山小屋に暮らすアダムは、花嫁を探しに町へと出かけ、食堂で働いていたミリーという女性に一目ぼれし、その場で結婚し彼女を家と連れて帰る。

アダムの家に到着したミリーはそこで、アダムが七人兄弟の長男であることを知り、ミリーは女手のない山小屋で七人の食事の用意に洗濯といった家事を任されることになり、初めは怒ったものの、やがて、兄弟たちのしつけをするようになる。そして、まだ恋をしたことのない6人に女性との付き合い方を指南し、兄弟たちは町の祭へと出かけていくのだが・・・。という物語。

邦題に「掠奪された」とあるように、ストーリーは結構ハチャメチャで、倫理的にどうかと思われる部分もあるんですが、破天荒なストーリーに合わせたように、エネルギッシュなダンスと耳に残るバラード曲も多い名曲の多さでそれをカバーするという、まさしく「ミュージカル」だからこそ許されるような作品でした。

ただ、1つの映画として見たとき、やはりストーリーも素晴らしい傑作は多数あるわけで、その点でちょっと弱い作品かなぁと。

とりわけ祭の場面でのダンスは、体操選手顔負けのアクロバティックなダンスが次々と繰りひろげられて、かなりの見ごたえがあります。カラフルな服装も楽しいし、この場面は必見!

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2008年5月27日 (火)

「RENT」 Jonathan Larson

Rent: The Complete Book and Lyrics of the Broadway Musical

RENT
the complete book and lyrics of the broadway musical
(脚本)


Jonathan Larson

2008

ミュージカル「RENT」の脚本がペーパーバックで発売になりました。

映画をきっかけに徐々にはまってしまい、昨年の来日公演に至って自分の中で大ブレイクした作品なので、これも迷うことなく購入です。

ブロードウェーの舞台が当初5月に終了するということでしたので、それにあわせての発売ということだと思うのですが、流布しやすいペーパーバックという形で完全な脚本が発売になるというのは、この舞台の上演に一区切りがつくということを如実に表しているように思います。

あーあ、1回NYで見たかったなー。

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2008年4月 6日 (日)

映画「ベルズ・アー・リンギング」

ベルズ・アー・リンギング 特別版

bells are ringing

1960年

アメリカ

我が家にはミュージカル映画のDVDが結構あるんですが、買っただけで満足してしまって観ていなかったものを今年は消費しようということで、適当に1本選んでみました。

舞台は1950年代のニューヨーク。電話応対代行会社(留守電サービスみたいな感じで、代わりに応答して伝言を受け取り伝える)でオペレーターをしているエラは、いつも声でのやりとりしかない顧客の男性たちとの会話を楽しんでいた。

その中でもとりわけ、劇作家のジェフリーのことが気になっていたエラは、ある日、ついに、本人に会いに行ってしまう。いつも電話口では、年老いた女性を偽って会話をしていたため、自らの身分を隠すエラだったが、ジェフリーが彼女のことを気に入ってしまって・・・。

というラブコメの物語を、主人公の勤める会社をだまし、隠れてノミ屋業を営もうとする男や、電話応対会社を売春宿の隠れ蓑ではないかと疑う刑事など様々な登場人物たちが繰りひろげるドタバタを織り交ぜて描く。

うーん、長い。これにつきます。ミュージカル映画全盛期の作品で、ブロードウェーのヒット作をミネリ監督が映画化と何かと話題作だったのではないかと思われるんですが、ラブコメは2時間を越えるとちょっとだれてしまいます。

オープニングが非常に面白くて、ものすごいワクワク感を感じたんですけど、やっぱりの中だるみ。ノミ屋の下りはごっそりとカットしても良いのではと思ってしまうんですが・・・・。

ちょっとジャジーな感じの音楽はどれも良い曲ばかりで、主演のジュディ・ホリデイも舞台での当たり役をそのまま映画でも演じているということで、とても生き生きしています。

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2008年1月29日 (火)

映画「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
 <画像はサントラから>

Sweeney Todd
the demon barber of Fleet Street

2007年

イギリス、アメリカ

ミュージカルファンとしては見逃せない作品です。ソンドハイム氏の傑作ミュージカルの映画化。しかもしかも、バートン×ジョニデ!映画化の話が出たときからワクワクしていた1本ということで、さっそく劇場へ!

オリジナルのミュージカル版に関してはDVD鑑賞ですが、こちらをどうぞ(レビュー

舞台は19世紀ロンドン。15年前、判事のターピンが愛する妻ルーシーに目をつけ、無実の罪をきせられた理髪師ベンジャミン・バーカーはターピンへの復讐を果すため、スウィーニー・トッドと名を改めて、ロンドンの地へと帰って来た。

かつて店を開いていた場所へ戻ってきたトッドは、店のある建物の1階で「ロンドンで1番まずいパイ」を作って売っているラベット夫人から、ルーシーが受けた酷い仕打ちと、当時生まれて間もなかった娘のジョアンナが現在はタービンの家で育てられている事実を知り、ますます復讐の炎を燃え上がらせる。

一方、トッドとともにロンドンに上陸した船乗りのアンソニーは街を歩いているときにタービン判事の家の窓辺にたたずむ姿を目にし、ジョアンナに一目惚れする。果てさて、トッド氏は無事復讐を果すことができるのか、そして、ジョアンナとアンソニーの恋の行方は・・・。という物語。

なんかもっとアレンジされてるのかと思ったら、かなりオリジナルのミュージカルに忠実だったのでちょっとビックリ。ミュージカルとしては異色なホラーな展開も見事に映像化してくれましたね。予告だと、ミュージカル色すら薄いし、実際カットされてる歌もたくさんあったけれど、映画自体はかなりしっかりとミュージカル映画でしたね。

陰も陽も併せて19世紀ロンドンが好きな自分としては、この上ない題材でして、フリート街の暗い感じもバートンカラーとよく合っていて、結構好きな演出でした。

ただし、かなーり、B級テイストあふれるホラー的映像のオンパレードなので、グロいのが苦手な人にはちょっと辛い映画かも。ただ、このB級っぽさは、ちょっとはまってしまうと、「あー、バートンさんが楽しんでる!」と感じられて、目をそむけつつもちょっと楽しくなっちゃったり・・・。イスがバタンてなるの、きっと楽しくて仕方なかったんだろうなってくらいに繰り返してたりとかね。

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2007年12月20日 (木)

来日公演ミュージカル「RENT」東京最終公演

Photo

RENT

来日公演@国際フォーラム

2007.12.19 夜

東京最終公演

どうもミュージカル好きだというのはおなじみだと思いますが、なんと人生で初めて同じ公演を会期中に2回見るということをしてしまいました。しかもお一人様ミュージカル鑑賞もはじめて。(1回目の感想はこちら

16日昼の公演を1階の6列目というなかなか舞台から近い席で見たのですが、どうしても2回目が見たくなってしまい、最終公演へ行ってしまったんです。ブレイクスルーがあるってのは2回目を見ようていう意欲をかきたてますね・・・。

ブレイクスルー目当てで、昼の回と夜の回に並んだものの、夜にいたっては、200人近い方が12席の最前列のために集り、超高倍率。でもってあえなく敗退。夜は早くから並んでたので、当日券買えちゃいました。ちなみに、決して暇ではなかったので、並びつつ勉強するというちょっと浮いた人物になってましたが・・・。一応院生なので。

2階の最後尾でしたが、今回は舞台全体をゆっくりと見渡すことができてまたちょっと新鮮な感じ。前回はやや見上げる姿勢だったために見づらかった場面も今回はばっちりです!ライフサポートでさえ見下ろす感じ。でもライブ感が薄れてしまうのはやっぱり残念かなぁ。

そうそう、帰りに会場の外で、キャストの皆さんが出てきていて、パンフにサインもらっちゃいました!!一緒に写真も撮ったし、感想を直接伝えられたしで大満足です。

以下てきとうに戯言。

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2007年12月17日 (月)

ミュージカル来日公演「RENT」

Rent

RENT

来日公演@国際フォーラム

2007.12.16

映画化もされたブロードウェー・ミュージカル「RENT」のツアーキャストが来日。12月というまさに「RENT」の季節の来日公演は非常に嬉しい!ということで、早々に先行予約をしてチケットを入手して、本日昼の公演を観に行ってきました。

20世紀も終わりに近づきつつあるNYが舞台。映像作家を志すマークは自分の仲間たちの生活を8ミリで撮影し、ドキュメンタリーを撮影しはじめる。歌手志望、ダンサー、ドラッグクイーン、カリスマアーティスト、大学教授、弁護士らの若き仲間たちが、恋愛に悩み、HIVに苦しむ中で、懸命に「今を生きる」姿を描く。原作はプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」で、基本のストーリーもほとんど同じ。

主要人物は8名。以下順番は適当。

マーク:狂言回し的存在の映像作家。最近、彼女だったモーリーンと別れた。
ロジャー:恋人を亡くし塞ぎ気味だったがミミと出会い立ち直っていく歌手志望の青年。
コリンズ:上記2人の親友であるHIV陽性の大学教授。
エンジェル:コリンズが街で出会ったドラッグクイーン。やがてコリンズと恋仲に。
ミミ:ドラッグがやめられないダンサー。ロジャーと恋に落ちる。
モーリーン:仲間たちのカリスマ的存在のアーティスト。
ジョアンヌ:モーリーンの新恋人(♀)の弁護士。
ベニー:かつては皆の仲間だったが、金持ちと結婚し今は皆から家賃を取り立てる立場。

うん、今回の舞台、かなり良かったです!!全米ツアー中からこのキャストはかなり良いとの噂は読んでいたんですが、噂に違わず本当に良かった!1階6列目と、舞台から近かったのも良かった!

映画では地味だったベニーが個人的にはかなり良かった!あとはミミ。前半はちょっと微妙だったけど、後半は調子が出てきた感じでかなり上手かったです。そしてそして、なんといっても特筆すべきは脇のアンサンブル陣がかなり良かったこと!歌も踊りもものすんごく良かった!

あと、曲がロック調の作品なので、生の舞台のライブ感が本当に素晴らしかったですねー。今日の舞台はお客さんのノリもよくて、主要キャストが登場すれば拍手喝采で迎えるし、曲が終われば拍手&歓声、ノリの良い曲では手拍子があったり、「ムームー」叫んだりと、来日ミュージカルは色々と観てきましたが、こういう盛り上がりは珍しい!

ラストのカーテンコールはスタンディングオベーションで、さらに、キャスト勢ぞろいの中「seasons of love」が!!手拍子&体を動かして客席もノリノリ。僕も歌詞覚えてたので、声を出さないように頑張りつつ一緒に超熱唱。そして、マークと目が合ってしまい、彼は僕の熱唱っぷりに一瞬ビクッとしていた・・・。最高!!てか、自分も舞台で歌いたい!

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2007年10月22日 (月)

映画「ヘアスプレー」

映画「ヘアスプレー」オリジナル・サウンドトラック

  サントラCD画像

hairspray

2007年

ミュージカル映画ファンとしてはこの秋絶対に外せない1本です。ブロードウェーの大ヒットミュージカルの映画化。88年のオリジナル版も見たし、夏の舞台版来日公演も見ているので、今回の映画版、とても楽しみにしてました!!

(88年オリジナル版レビュー コチラ / 舞台版レビュー コチラ )※別ウィンドウ開きます。

ストーリーは大まかには舞台版がベース。

主人公トレイシーはダンスが大好きなちょっと太った女子高生。彼女は、地元TV局の素人参加型のダンスショーを見ては、いつもTVの前で踊り、同じ高校に通う番組の人気者であるイケメン少年リンクに憧れていた。そんなある日、レギュラー出演者に空きが出たということで、オーディションが開催され、トレイシーも参加したのだが、その見た目を理由に門前払いされてしまう。

その後、トレイシーは学校の居残り授業で知り合った黒人のグループと親しくなり、彼らから新しいダンスを教えてもらい、ダンスパーティーの夜、そのダンスで一躍スターとなり、レギュラー入りが決定するのだが・・・。

1960年代、黒人差別が根強く残っていたボルチモアを舞台に、新時代の幕開けを、とにかく歌って踊って、ノリノリに駆け抜けていくミュージカル映画。

いやぁ、ものすごく良かったです!舞台を観にいったときに、ダンスレッスンなんてものがあったものだから、ラストは映画館なのについつい体が動いちゃいました・・・。しかも、舞台を観終わって以降、サントラ相当聞き込んでるので、歌の度に、声は出ずとも口動かしちゃったりして、怪しい観客と化していたのは間違いありません。

でも、一緒に歌いたくなるミュージカル映画なんて一体何年ぶり!?ここのところ、たくさんミュージカル映画はあったけれど、一緒に歌いたいと思わせるような曲をここまで詰め込むのは本当に久々。「シカゴ」とか「ドリームガールズ」とか一緒に歌うって感じじゃないもんね。「オペラ座」の曲はよく口ずさむけど、親しみやすいって感じじゃない。このミュージカル、音楽担当が「天使にラブソングを」と同じマーク・シャイマン。なんか納得です。

ここ最近のミュージカル映画の中では間違いなくダントツの仕上がりで同じタイトルの、オリジナル版、舞台版で曖昧だったストーリー的な問題点が全て解消されて、「ヘアスプレー」という作品としては、恐らくこれが決定版になるのではないでしょうか。

ただ、舞台版にも多少残っていた、オリジナルにあったB級的空気や毒が完全に抜け落ちて、単なるノリノリエンターテイメント映画になっていて、そこにメッセージ性がダイレクトに演出されてしまっていたので、オリジナルのファンには物足りなさも残る作品だと思います。ラストも微妙にメッセージ性を打ち出すように改変されてるし。オリジナルの深みがごっそりそぎ落とされてる印象です。

以下、オリジナル、舞台、と今回の映画版を比較しつつ感想を。なんか、過去2つのレビューが前提みたいになって、分かりづらくなってるんですが、その点はご了承ください・・・。ストーリー的な感想は過去に十分してるので、今回はあまり触れてません。

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2007年10月10日 (水)

映画「サウンド・オブ・ミュージック」

サウンド・オブ・ミュージック <ファミリー・バージョン>

the sound of music

1965年

先日友人宅で夜通し映画を観るという機会がありまして、そこで見た1本。ちなみにもう1本は「アマデウス」。どちらも何度も見ている映画なのに、しっかりと楽しんでしまいました。

もう皆さん、ご存知かと思いますが、僕は熱烈なミュージカル映画ファンなので、この作品に関してはかなり気合が入ってます。

舞台は1930年代のオーストリア、ザルツブルグ。修道女のマリアは歌を愛する自由奔放な女性で、修道院長をはじめとする先輩達の悩みの種。ある日、彼女は7人の子供達の家庭教師としてトラップ家へと赴任することに。家主の妻を亡くしたトラップ大佐は軍隊式に子供達を教育していたが、やがて、マリアによってトラップ家には歌が溢れるようになり・・・。という物語。大佐と男爵夫人、マリアとの恋の3画関係や、ナチスの台頭など様々なテーマを、名曲の数々を織り込んで描く傑作中の傑作。

これ、もう、20回近くは見てるんじゃないかと思うわけですよ。DVD持ってるし。それ以前は、ビデオから直接音声だけを録音したものをずっと聞いてたりしてたし。とにかく何回も見ている作品で、何から何まで展開は分かっているのに、それでも新たな発見があったりして、飽きずに最後まで見れちゃうんですよね。特に今回は、一緒に見た友人達が皆、やたらとコアなファンだったために、深夜にもかかわらず、台詞は一緒に言うは、歌は一緒に歌うは、笑いどころではそのシーンに到達する数分前からすでに含み笑い状態になるはで大盛り上がりでした。

でもいつもは結局は好きなシーンだけを見て、色々とカットすることも多いので、全部通して見たのは久々でした。そんなわけで、久々に見た感想を織り交ぜつつレビュー。まぁ、完全に「ここが好き!」ってのを書いてるだけなんですが・・・。

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2007年9月18日 (火)

TVドラマ「ハイスクール・ミュージカル2」

ハイスクール・ミュージカル2

highschool musical 2

2007年

全米大ヒットのディズニー製作のTVドラマの第2弾。アメリカでもこの夏に放送されたばかりなのに、もう日本での放送です。しかも今回のフジテレビ版、なんと日本のディズニーチャンネルよりも早い放送なんだとか。 (前作レビューはコチラ

前作で恋仲になったトロイとガブリエラは友人達公認のラブラブカップルとして高校生活を謳歌していた。そして訪れた夏休み、トロイらイースト高校の仲間たちは、夏のアルバイトを探していたところ、高級カントリークラブから1本の電話が。実はここ、トロイと同じ高校に通うセレブ姉弟シャーベイとライアンの父が経営するクラブで、トロイとひと夏を過ごそうと目論んだシャーベイが支配人に根回しをしたのだった。トロイは、仲間たち全員での採用を条件とし、「どんな手を使ってもトロイを採用すること」というシャーベイの言いつけどおりに、トロイと共に高校の仲間たち全員が一緒にバイトをすることに。果てさて、どんな夏休みが訪れるのやら・・・。という物語。

今回はトロイが進路を考えるようになったり、仲間たちとの間に溝ができたりといったところが見所でしょうか。全般的に「友達」というオーソドックスなものがテーマになってました。

うーん、今回の放送、なんだか中途半端な印象。恐らくかなりのシーンがカットされてるし、日本舞台版キャストによる吹替えがかなり・・・だし。そもそも、舞台公演は既に終わってるのにここで今さら舞台キャスト吹替え?舞台は「1」なのに放送されたのは「2」。しかも放送時間が祝日とはいえ昼の14時。どうせ舞台版キャストなら歌も吹替えにして夜にパート1をやればいいのにね。

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2007年7月27日 (金)

ミュージカル来日公演「ヘアスプレー」

A

hairspray

来日公演@渋谷オーチャードホール

2007.7.26

先週、映画『ヘアスプレー』のレビュー(コチラ)を書きましたが、それはこの舞台を観にいくための予習でした。サントラも買ってたし、いつもながらばっちし予習して、渋谷に行ってきましたよー。今回は誰もがうらやむ(?)、目の前がオケピの指揮者位置という正真正銘の最前列ど真ん中席☆

ではいつも通りストーリー紹介から。

舞台は1962年のアメリカ、ボルチモア。主人公のトレイシーは踊るのが大好きな太った女子高生。彼女は友人のペニーと2人でテレビの素人参加型の人気ダンス番組に夢中だった。ある日、2人は番組のオーディションがあることを知り、会場へと出向くのだが、トレイシーは体型を理由にオーディション参加をプロデューサーに断られてしまう。ところがそんな折、学校で知り合った黒人の少年シーウィードから黒人たちの間で流行ってるダンスを伝授されたトレイシーは、そのダンスで注目を浴び、人気番組への参加が許可され、一躍大スターになり、彼女は皆の憧れの歌手志望のリンクとも良い関係に。

やがて、白人のダンス番組に黒人が出演することなど認められていない中、トレイシーは友人となった黒人たちと共に、皆が一緒に番組に出演できるように行動を起こすのだが・・・。

オリジナルの映画版とは細かい設定が違う部分も多かったのですが、全体的なストーリーも大分変更が加えられているなぁという印象です。社会的な側面がより端的に分かりやすくなり、ストーリーも全般にこじんまりとまとめたなぁという印象ですね。でも、映画版にあった妙なあくの強さがなくなっていて、誰でも楽しめるエンターテイメントになっていたように思います。

いや~、もうね、最前列ど真ん中の臨場感は何者にも変えられないですよ。だって、自分の視界に何もさえぎるものがなくて舞台なんだもん。多少微妙な点があっても、この臨場感と、あとは圧倒的なダンス&歌のノリの良さでカバーされて、大満足の舞台でした。ポップな60年代的なカラフル舞台は見ていて楽しい。

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2007年2月22日 (木)

映画「ドリームガールズ」

DREAMGIRLS 2006年 アメリカ

ミュージカル映画ファンとしては、やっぱり見逃せないブロードウェー作品の映画化。しかも今年度アカデミー賞最多ノミネートとあらば、映画館で見ない手はありません。

1960年代、歌手を夢見るエフィ、ディーナ、ローレルの3人は「ドリーメッツ」と名乗り、オーディションに参加。エフィの見事なリードボーカルに客席は大興奮し、彼女達は、カーディーラー兼新進レコード会社を立ち上げようとするカーティスに見出されて、歌手ジェームスのバックコーラスに採用される。やがて、彼女らは「ドリームス」としてデビュー。それにあたり、カーティスはリードボーカルを歌唱力のあるエフィーから、見栄えの良いディーナに変更するよう指示。彼の読みは見事に当たり、彼女らはエフィの兄C.Cが作曲する曲とともに数々の大ヒットを飛ばし、彼女らは一躍全米を虜にする大スターとなり、カーティスのレコード会社「レインボーレコード」も巨大企業へと変化を遂げていく。しかし、彼女達がスターとなり会社が大きくなるとともに、チームワークは乱れていって・・・。という物語。

ビヨンセ、エディー・マーフィー、ジェイミー・フォックスとそうそうたるメンバーが名を連ねる作品で、もっとビヨンセを前面に出した映画なのかと思っていたんですけど、衝撃の新人、ジェニファ・ハドソンこそ、この映画の真の主役ですね。舞台を観にいってたら拍手喝采スティング・オベーションは間違いなしです。

この映画、ここ10年ほど製作されたミュージカル映画の中では「シカゴ」と肩を並べるくらいの傑作ではないかと思ってしまったのですが、それはもうほとんどエフィを演じたジェニファ・ハドソンの素晴らしさのおかげといっても過言ではないです。

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2006年12月18日 (月)

TVドラマ「ハイスクール・ミュージカル」

ドラマ「ハイスクール・ミュージカル」 2006年 アメリカ

ディズニー製作のミュージカルを題材にした学園ドラマが全米で大ヒットして、その勢いは世界各地に広がっているというような話は知っていたのですが、なんとなんと、本日NHKのBSで放送されてるじゃないですか!!ミュージカル好きとしては見逃せない1本です。

大晦日の旅行先で出会い、カラオケ大会で大盛り上がりしたトロイとガブリエラ。年が明けて学校が始まるとなんとびっくり、ガブリエラがトロイの高校に転校生としてやってきた。トロイは高校のバスケ部の花形選手、一方でガブリエラは超優等生。そんな折、学内ではミュージカル公演のためのオーディションが開催されることに。学内にはミュージカル公演のたびに主役を任されてきたシャーベイ&ライアン姉弟がいて、主役はこの2人でほぼ決定とされていたが、トロイとガブリエラはあの日の歌が忘れられず、ひょんなことからオーディションへ。トロイはバスケ部の試合を控え、ガブリエラは研究コンテンストの発表が。本当に自分がやりたいことは何なのか、皆の思いが入り混じる中オーディンションの幕が上がるという物語。

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2006年10月23日 (月)

映画「プロデューサーズ」(1968)

「プロデューサーズ」 1968年 アメリカ

そういえば、見てたのにレビューしてませんでした。ミュージカル版の舞台が大ヒットし、昨年映画化された作品のオリジナル版です。ちなみに、このオリジナルも、舞台も、リメイク版映画も全てメル・ブルックス自身が手がけています。

このレビューで「プロデューサーズ」を扱うのは、舞台版、昨年の映画に引き続き3回目なので、ストーリーに関してはそちらのレビューを参考にしてください。

舞台版レビュー

ミュージカル版映画レビュー

さて、このオリジナルの映画を見ると、昨年のミュージカル版映画が、舞台の映画化という側面を持ちつつも、かなり忠実にオリジナルの映画をリメイクしたのだということが分かります。とりわけ、舞台版では演出上不可能だったと思われる、事務所→タクシー→セントラルパーク→噴水のくだりなんかは2つの映画でほとんど同じアングル&演出ですね。そして、ミュージカル版の歌詞も割りとオリジナル映画の脚本をベースにしていることも発覚。ただし、これは当然といっては当然だけれど、オリジナル版はメル・ブルックスの監督デビュー作で、映画の作りとしてはまだまだ甘い部分が多いのも事実。B級っぽいんですよね。名実とともに力をつけて、自分自身で40年ぶりにリメイクした昨年のミュージカル版映画のほうが完成度としてはダントツに上だと思います。

奇人変人大集合みたいな部分は、ミュージカルでも面白かったですけど、これはミュージカル無しでも十分楽しめる内容なので、普通にコメディ映画として面白い作品だと思います。ただ、ミュージカル版のほうがキャラ個性がパワーアップしてるので、先にそっちに馴染んでしまってる身としては、ちょっと物足りないのも事実。あと、やっぱり期待してる場面で歌が入らないとちょっと肩透かしなんですよね・・・。まぁ、オリジナルはミュージカル映画じゃないから仕方ないんですけど。あと、オリジナルだとウーラはちょっと地味な扱いでしたね。

ちなみに、脚本家として登場するドイツ人さん、オリジナル版は当初ダスティン・ホフマンが予定されていたものの、「卒業」に出演するためにキャンセルになったそうですね。ホフマンバージョンもちょっと観てみたかったかも。

<ちょっとネタバレ感想(反転させてください)>

後半の展開がミュージカルとオリジナルとでは少し違うんですけど、そんな違いの中でもとりわけ印象的だったのが、劇中劇の部分。ミュージカルでは「ヒトラーの春」が大ブーイングを受けるものの、ヒトラーが登場するやいなや、観客が大爆笑となるわけですが、自分はこの部分にちょっとした疑問を感じてました。あれだけでそれほど笑えるのか!?

そんな疑問を解消しているのがこのオリジナル版。華々しいオープニングで観客がブーイングするのは同じなんですけど、その後、普通に劇が始まって、その劇の中でヒトラーがコントのように振舞って観客が大爆笑という流れなんですね。こっちのほうがずっと自然だなぁと思います。ミュージカル版だとやっぱり「ミュージカル」で笑いを取りたかったんだろうなぁということでしょうか。ちなみに、劇中劇オープニングの「ヒトラーの春」もこっちのオリジナル版のほうがコンパクトにまとまってて面白いと思いました。基本同じなんですけど、こっちのほうがチープ感が漂ってて良い感じ。曲もちょっと短いですね。

<ネタバレ終わり>

この作品、当時アカデミー賞の脚本賞を受賞していますが、今よりももっともっと2次大戦が近くて、さまざまな「差別」が今よりももっと深刻な問題だった68年の作品だということを考えると、この映画の風刺的な内容は当時もっともっと強烈なものだったはず。そう思うと、この作品に脚本賞を与えたアカデミーもなかなかの勇気だなぁと思ってしまいました。

ところで、ミュージカル版映画のDVDが出ましたね。そちらには特典映像として、未公開シーンが収録されていて、舞台版からカットされた冒頭のマックスの歌が見られます。このシーン、かなり舞台版に忠実で、バイオリンやらカートやらダンスやらの演出はまさに以前観た舞台の感動そのままという感じ。なので、逆に言えば、「映画」としてはどうなんだろうという感じもして、そう思うと、このシーンのカットは仕方なかったのかなぁと思います。この曲は前半の曲の中で唯一ちょっと暗い影がある曲だし、無い方が映画がすっきりと引き締まりますよね。

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2006年9月20日 (水)

映画「踊る大紐育」

「踊る大紐育」 1949年 アメリカ

一度書き終えた記事が消えてしまって、書くのが2度目なので、ちょっとテンション低めです。

当代きってのミュージカルスター、ジーン・ケリーとフランク・シナトラが主演、傑作「雨に唄えば」の監督コンビに、ミュージカル楽曲は「ウエストサイド・ストーリー」のバーンスタイン、さらには、ミュージカル映画史上初のロケ撮りというかなり豪華な作品。コレだけ見ると、どんな映画なのかと思いますが、これがまた、とんでもない娯楽大作でした。

軍艦がNYに寄港し、24時間のフリータイムを与えられた3人の水平たち、ゲイビー(ジーン・ケリー)、チップ(シナトラ)、オジーが主人公。初めての大都会NYに大ハシャギの3人のお目当ては、名所の観光と、ステキなNY美女とのデート。チップは、女性タクシー運転手に一目ぼれされて猛烈なアッタクを受け、オジーは博物館で出会った美人人類学者に見初められる。一方、ゲイビーは地下鉄のポスターで見た「今月のミス地下鉄」の写真に一目ぼれ、広いNYで彼女を捜し求める。男女6人がNYを舞台に、歌い踊りまくる、とんでもなく明るいミュージカル。はっきり言ってストーリーはあってないようなものです。

この映画、やはり音楽が良いですね。バーンスタインの舞台版のオリジナルに、映画用に新しく楽曲が加えられたみたいですが、メインテーマとも言うべき、オープニングの「New York New York」の突き抜けるような明るさとノリの良さがこの映画の全てを物語っていました。そして、このオープニングは、NYの名所をたっぷりとロケ撮りした映像で見るものをあっという間に1940年代のNYに引き込んでしまいます。このオープニング、、かなり好きですねぇ。ちなみに、この曲は、今は終了してしまったTDSの「アンコール!」でも印象的なナンバーでしたね。

この映画は歌のほかにもダンスシーンが見事です。この頃のMGM作品は、「巴里のアメリカ人」を代表として10分をはるかに越える長いダンスだけのシーンがあったりして、正直、そのダンスが見事であっても、終盤はやや退屈になってしまうのも事実なんですけど、この映画は、程よい長さだったし、ストーリー仕掛けで楽しいダンスだったので、それもあまり気になりませんでした。ジーン・ケリーはやっぱ上手いよね!

ダンスといえば、博物館にて女性学者を演じるアン・ミラーが本当に見事なタップを披露していて、この場面も圧巻!このタップを見るだけでもこの映画を見る価値はありです!しかしながら、この場面、個人的にはもっと気になる人がいました。タクシー運転手を演じるベティ・ギャレットがかなり熱い!!目が、演技がすごいことになってます。もともと、原始人気分で皆が羽目を外しまくって踊るシーンですけど、ここでの彼女は完全に原始人になりきってます!!素晴らしいタップと素晴らしい原始人ダンスに圧倒されて、ここだけ何度も見返してしまったほど。

これまでミュージカル映画の神がかり的な熱演といえば、「アニーよ銃をとれ」で私はインディアンだと歌い踊る場面がマイベストだったんですけど、この原始人ダンスはそれに匹敵するくらいの衝撃でした。

あと、印象的だったのは、摩天楼の上でシナトラとベティ・ギャレットが2人でデュエットする曲。歌詞が良い。そして、その後、町に繰り出す6人が一緒に歌い踊る曲も良かったですね!

この映画は、はじめから終わりまで、テンションが下がる場面が皆無に等しくて、ずーっとみんなで大騒ぎしているような印象が強いので、後半くらいになると、ちょいとお腹いっぱいになってくるのも事実ですが、長い海上生活の後に与えられたわずか24時間の休暇を存分に楽しもうとする若い水平たちを描いているわけですから、このくらいのテンションの高さは当然といえば当然かもね。

さらに面白かった点として、水平たちの白いセーラ服と、女性達の原色のドレスが画面に見事に配置されていて、とりわけダンスシーンでのカラフルな画面がとても印象的でした。

ロケで撮影されたNYの町の姿、当時のアメリカを代表する作曲家による音楽、そして、やや男尊女卑を感じるストーリーを含めて、1940年代のNYをこれでもかというくらいに感じるのことのできる作品で大満足でした。

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2006年8月31日 (木)

DVD「スウィニー・トッド・イン・コンサート」

スティーヴン・ソンドハイム「スウィニー・トッド」イン・コンサート THE DEMON BARBER OF FLEET STREET    「スウィニー・トッド・イン・コンサート」

先日、ティム・バートンがジョニー・デップを主演に映画化することが報じられた、有名ミュージカルのDVDです。舞台での公演をそのまま収録したものではなくて、2001年に行われた、コンサート形式の舞台を収録したもの。

コンサート形式なので、指揮者とオーケストラが舞台上に並んでいて、「音楽」が主役なのですが、オケを取り巻くように、演技のための舞台も作られていて、最低限の小物を使って、実際に演技をしながら展開していくので、その点はシンプルな演出のミュージカル舞台といった感じです。たっぷり2時間、「音楽」をメインにこのミュージカルを味わえるとても面白いDVDでした。ちなみに、自分は舞台は見たことがないので、このDVDがこの作品の初見です。

ストーリーは、19世紀ロンドンが舞台で、妻に目をつけた判事の陰謀で、無実の罪で流刑になった床屋が主人公。長い年月の果てにロンドンに戻ってきた彼は、判事への復讐を企てます。そして、階下のミートパイを売る夫人と共謀して、次々と殺人を犯すことに。床屋に入った人々が姿を消し始めたその日から、新しい肉を使ったミートパイ屋さんは大繁盛。やがて彼らに訪れる哀しい結末とは・・・。という惨劇の物語ではあるものの、全体を包むトーンはとてもユーモラスなもので、扱う題材とのギャップがとても面白い作品でした。そういうメリハリがとてもよいですね。そして、ティム・バートン的世界観とも近いと思うので、映画化にかなり期待ですね。

このミュージカルの作詞作曲のソンドハイム氏は、「ウェスト・サイド・ストーリー」の作詩をした人だと言うのが最も一般的な理解なのでしょうが、この方、かなりの数のミュージカルを手がけていて、昨年、ブロードウェーで宮本氏が演出した「太平洋序曲」なんかもこの方の作品。でもって、この「スウィニー・トッド」は79年にトニー賞を7部門も受賞した代表作。BBC製作のミュージカルの100年を紐解くドキュメンタリの中でも、ミュージカル史のランドマークの一つとして取り上げられていました。

さて、僕は19世紀ロンドンがとても好きで、関連書籍も色々と読んだことがありますし、大学のときには授業で、1時間以上に及ぶ、「19世紀ロンドンの光と闇」というプレゼンをやったこともあります。ほとんど趣味だけで行った発表だったので、とても準備が楽しかったという記憶が。なので、19世紀ロンドンが舞台というだけで、とても嬉しいミュージカルです。出てくる地名にもいちいち反応してしまいました。

前書きがかなり長くなりましたが、このDVDのコンサート。かなり満足度が高かったです。非常に言葉多い歌が多かったり、複数の人が同時に違う歌詞を歌う場面も多くて、字幕が対応し切れないほどなのですが、複数の人が歌う=ハーモニーを味わえるということで、2人、3人で歌うような場面の音の作り方が非常に上手い!!コンサート形式の舞台ができるというだけあって、音楽が本当に素晴らしくて、合唱、ソロ、アンサンブルとそれぞれの良さが味わえる内容でした。

最後のほうは、なぜたかわからないけれど、なんだかとても感動してしまいました。

曲として好きだったのは次のとおり。

冒頭とラストで歌われる物語紹介の歌:すごい迫力。特にラストのは泣ける。

夫人とトッドが歌うミートパイの歌:かな残酷な内容をユーモアたっぷりに韻を踏ませて歌うシュールな歌。多分、これが一番好き。

判事、娘の恋人、トッドの3人がそれぞれの思いを歌い上げる曲:
とにかくアンサンブルが良い!!

夫人がトッドに自らの思いを歌う曲:哀しいラブソングでした。

これは一度、舞台で見てみたい作品ですねぇ。そういえば来年のお正月くらい国内でやるんだよね。ちょっと見たいかも。

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2006年6月27日 (火)

映画「オズの魔法使」

「オズの魔法使」 1939年 アメリカ

初めて見たのは、小学校低学年のときにテレビで放送されてたのを見たときだと思います。それ以降、テレビで放送するのを何度か見たり、学校の授業で見たりはしたものの、通して見たのはかなり久しぶり。90年代前半くらいまでは、普通に地上波で放送されたりしてたと思うんですけど、最近、こういう名作は滅多に放送されなくなりましたね。残念です。

叔父、叔母夫妻のもとで育てられているドロシーは、ある日、近所に住むおばさんが愛犬トトを苛めると涙で叔父や叔母、農園の使用人らに訴えるも、聞き入れてもらえず、悩みの無い幸せな国を夢見て歌を口ずさむ(かの名曲「over the rainbow」です)。その後、家出を決意したドロシーだったが、偶然立ち寄った怪しげな占い師に叔母が病気になったから家に戻った方が良いと告げられ、その言葉を信じて彼女は家に戻る。しかし、そんな折、巨大竜巻が現われる。家のものは皆地下室に避難したのだが、遅れて戻ってきたドロシーとトトは、家ごと、竜巻に吹き飛ばされてしまう。こうしてドロシーはオズの国にたどりつき、家に帰る方法を求めて、脳みそが欲しいカカシ、心が欲しいブリキ男、勇気が欲しいライオンと知り合い、皆で大魔法使いオズに会いに旅に出るという物語。

約70年前に製作されたというのが信じられないくらいに、色あせない輝きを持った作品です。とりわけ、現実の世界をモノクロで、オズの国をカラーで描くのですが、オズの国の色鮮やかさはため息もの。今から見れば、確かにチープさはある映像ですが(特にまんまセットなところとか)、当時の最先端の技術をこれでもかというくらいに駆使して、「オズの国」を再現しようとしたその努力が溢れんばかりに伝わってくる映画です。

この映画、原作と比べてみると、割と違う点が沢山あるのですが、その相違点が全て、映画の持つ強いメッセージ性につながってくるあたり、製作者たちの作品に対する思いが伝わってくる変更なのだと思います。とりわけ、冒頭のカンザスでのシーンを長く描いて、さらには、オズの国で出会う人々を皆カンザスの住民との2役にすることで、ドロシーが最後に言う「There's no place like home」の重みが増してくるわけです。また、原作では、魔女を倒して、オズが気球に乗って去ってしまうくだりはまだまだ中盤の山場。その後、良い魔女のもとに向かうために、生まれ変わったメンバーで旅に出るくだりがあるのですが、映画ではその部分をごっそりカット。そうすることで、この映画の「アイデンティティの発見」という大きなテーマが際立ったわけです。

カカシもブリキもライオンも、自分が欠いていると思っているものを最初から持ち合わせているにもかかわらず、それに気づいていません。逆にドロシーという少女は彼らが欲しいと望む全てを持っています。危険な目にあえば、機転を働かせるし、感情表現豊かだし、自分が納得しなれば、どんな強いものにでも立ち向かっていきます。1930年代という時代背景を考えると、自分の持つ潜在的な能力に自信を持てずウジウジしている男たちを強気の少女が導いていくという設定もまた、女性の自立、解放などを強く訴える要素を感じさせます。

それにしても、西の魔女の怖いこと。彼女の恐さは、本当に70年の時を経ても全く色あせていません。そしてまた、良い魔女グリンダが当時50歳を越えているとはとうてい思えないほどの美しさを持つ女優さんなのです。この2人の魔女の魅力は、彼女らを主人公にしたミュージカルが、近年ブロードウェーで大ヒットしていることからも明らか。

この映画、確かに名作なんですけど、本国のアメリカでは未だに根強い人気を持つ作品のようで、どの世代の人でも子供時代にこの映画を見て育つと言っても過言ではないような状況のようです。この背景にはやはり、この作品が、原作、映画ともに純アメリカ産の数少ないファタンジー作品であるという事実があるように思います。今も昔も、ナルニアにしても、指輪にしても、ハリーにしてもイギリスの作品ですし、映画化もされた「はてしない物語」はドイツ作品ですし、純アメリカ産の児童文学&映画の傑作の第1号と言っても過言ではないのかもしれません。「there's no place like home」の「home」は彼らにとって、アメリカという国そのものなのかもしれないなぁと思ってみたり。

あと、ジュディ・ガーランドはこのときが一番良い気がする。

最後に、最近知って驚いたのですが、この映画の監督、同じ年に「風とともに去りぬ」を監督しています。とんでもない才能を持った人だったに違いありません。

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2006年4月12日 (水)

映画「プロデューサーズ」

「プロデューサーズ」 2005年 アメリカ 

去年来日した舞台を見に行って、それからサントラを何度も聞き返した ブロードウェイミュージカルがついに映画化。しかもほとんどがCDにもなっているオリジナルのブロードウェイキャストのままというではないですか!かなり楽しみにしていたので、頑張って有楽町まで見に行ってきました。やっぱり大きな映画館で見たいじゃないですか!

舞台版の感想はコチラ

ストーリーは、舞台版のまま。新作ミュージカルが失敗して落ち込んでいるプロデューサー、マックスのところにやってきた会計士のレオは、スポンサーから多額の投資を受け付けて、興行的に失敗すれば、粉飾決済をすることで、かなりの額を手にすることができるということに気づく。その話を聞いたマックスはレオとともに、最低の脚本、演出家、キャストを集めて絶対に成功しないミュージカルを製作しようと企てるという物語。で、彼らが集めた脚本、演出、役者たちは皆これでもかというくらいに最悪の超個性的な人ばかり。果たして彼らの作戦は成功するのか・・・。

自分は舞台を見ているので、どうしても各場面で舞台の様子が頭をちらついてしまいます。しかし、この映画、これでもかというくらいに舞台の演出を踏襲していまして、なにやらそのまま舞台を見ているような感じの演出。映画として見た場合も、50年代、60年代のMGM系列のミュージカル映画を髣髴とさせるような撮りかたをしていて、古きよきミュージカル映画の形をとりながらも、それらを強烈にパロディにしているというなかなか面白い作品でした。しかし、自分が楽しめたのは、この映画を見ることで舞台を見たときの興奮が蘇るからというのが大きかったのも事実。単にミュージカル映画として見た場合、「マイ・フェア・レディ」のように永遠の輝きがあるわけでもないし、「シカゴ」のような21世紀型の洗練されたかっこよさがあるわけでもないので、「舞台→映画」の移植をするのならば、もっと「映画」であることを強く意識してもよかったかもしれません。あまりに「舞台」すぎるように思いました。そして、舞台的であるがゆえに、歌が終わるたびに拍手をしたくなってしまうのだけれど、それができないからフラストレーションがたまります。

キャスティング。ユマ・サーマン、恐らくはミュージカルに馴染みの無い人々を引き寄せるための客寄せパンダ的役割を担ったキャスティングだとは思いますが、これがまた、意外にも超ナイスバディです。こりゃ、ゲイリー・オールドマンもイーサン・ホークもぞっこんになって当然だね。あと、主演2人は、舞台版でトニー賞を受賞したオリジナルキャストなんですけど、彼ら、マックスのほうがティモンで、レオのほうがシンバ、そう、ライオンキングで共演してるんです!!気弱なマシュー・ブロデリックとノリノリのネイサン・レインのコンビがこちらでも楽しめますよ♪さらに、強烈なゲイを演じたロジャー・バート、あれれ、「デスパレートな妻たち」の薬剤師じゃないですか!!!知らなかったー!彼はあとですね、やはりディズニーの「ヘラクレス」で、かっこよく「Go the distance」(←彼が歌うバージョンが一番良い)を歌ってるし、ミュージカル「You're a Good Man, Charlie Brown」ではスヌーピー役でトニー賞受賞してるんです!愛聴しているサントラには彼の出演作が多いのです。それだけにデス妻に出演してたと知ったときにはビックリですよ。

以下、内容にもかなり触れる舞台と映画を比較した感想です。反転してお楽しみください。

では順を追って。まずオープニング。これは映画だとオケが豪華になるので、舞台版のこじんまりとした雰囲気がなくなって、華やかになっていましたね。で、オープニングの曲のあと、映画ではすぐにマックスの事務所のシーンへ。おやおやおやおや?という感じでした。1曲カットされてるよ!マックスが自分はかつてブロードウェイの王だったと懐かしむ曲があって、なかなか好きなナンバーだっただけにちょっと残念。しかも、舞台版ではその後もチョコチョコと登場したこの曲のテーマはすべて削除されていて、最初から存在しなかったことになってましたね。舞台ではマックスの登場が先だったのが、映画ではレオが事務所に入るところから始まるので、観客の視点がレオを主人公にしたものになるという効果を生んでいるようにも感じました。これはこれでありですね。

で、舞台どおりに、ガバッと起き上がるマックスで観客の驚きを得て、そのまま「We can do it」。で、このシーンでオフィスの外へ出て、舞台はセントラルパークへ。この辺は映画ならでは。タクシーの場面の合成感が個人的にはかなり好き。で、レオは会計事務所へと戻っていってしまいますが、ここでの「Unhappy~」っていう曲、舞台では4人くらいしかいなかった会計士たちが映画では沢山いて、舞台以上に舞台的な演出がなされていました。そしてそれに続く、「I wanna be a producer」。こんなに長いダンスシーンのある映画は近年ほとんどお目にかかりませんね。映画では結構お金かけて豪華に作ってましたけど、このシーン、自分は舞台版のほうが好きです。会計事務所→妄想の世界へ→姉さん達登場→舞台がブロードウェイに早変わり→何事も無かったかのように再び会計事務所に戻るという一連の演出、場面転換の仕方がとても上手で大好きな場面でした。あと映画ではオチになっている不恰好なお姉さんが最初にしか出ないのがつまらない!彼女が出続けることで、長いダンスシーンも飽きないという演出だったんだけどなぁ。

そして再びレオはマックスの元へ。で、このとき、舞台では場面転換がなされるやマックスが前に登場したときのままの姿勢で固まっているところで笑いを誘ったんですけど、そういうのがなくて割とあっさりとしてましたね。で、いよいよ個性的なキャラ祭り。ハトさんがCGとかだったらどうしようかと思ったけどチープな感じが保持されてて大満足。ここで残念だったのは、老婆達のシーン。舞台の演出では空中ブランコまで登場してかなりシュールな「老婆の園」だったんだけど、マンションになってるのがちょっとつまらない。そして歩行器ダンスは生のほうが圧倒的に迫力があったね。映画ではその代わりに違った演出で笑いをとってました。で、全てが揃ったわけですが、一番残念だったのがこの後の場面です!舞台ではここで1幕が終了してインタミに入る場面。ここで、「グーテンターク~」、「ゲイ」、「ウーラ」、老婆、「We can do it」の5つのテーマが同時にコーラスされて、最高の盛り上がりを見せる部分があったのに、まるごとごっそりカット。舞台版サントラで一番好きな部分だっただけに、これはかなり残念・・・。

さて第2幕。「that face」です。真っ白にセートンされた部屋で歌われる曲ですが、映画だとかなり退屈な場面でした。ここ、舞台だと、舞台中に大写しになった、間抜けなレオの顔が映し出されて、かなり笑える場面だったんですよね。なんで辞めちゃったんだろう・・・。そして、ストーリーが続いて、舞台が始まる場面です。「オープニングナーイト♪」っていう冒頭の曲が再び流れるシーンもカットでしたねー。で、舞台が始まるわけですが、舞台版だと、我々観客がそのまま劇中劇の観客になるわけですが、映画では、観客の反応を映していました。うーん、これはいらないのでは・・・。と思ってしまいました。映画でも「我々が観客」っていう気分を味わいたかったかも。そして、舞台が終了した後、ここでも1曲カットされてました。この辺はテンポよく展開するので、このカットもほとんど気にならず。拘置所でのマックスの1人芝居。これは舞台でも一番の見せ所。ここでは、「インターミッション!」って叫んで休憩する場面がカット。映画にはインタミが入らないですからねー。代わりの演出を何か入れてもらいたかったかなー。リオの部分は曲が追加されてましたね。これは嬉しい♪あと、一番ラストのパクリ(?)ミュージカル、舞台だと「43rd street」とかもあったような気がします。

全体的に、舞台版のほうがジョークがきつかったと思います。全体的に少しやんわりさせられていたような。まぁ、映画のほうが規制が厳しそうですから仕方ないのかもしれませんが。舞台のほうが民族ネタとかももっと笑いをとろうとしてたように思うし。アイルランドネタは字幕さんが相当頑張ってたましたねー。でも、上手く伝わってなかったような気が・・・。カフカのネタとかも、笑える人にはかなり面白いけど、「?」な人も相当いた様子。自分も全ての笑いを理解してないと感じたし、前提となっているパロディの元ネタを知ってれば知ってるほど面白いんだろうね。うーむ、まだまだ勉強不足。この辺、DVDが出たときにオーディオコメタリーでもつけて解説してもらいたいとこですね。

長くなりましたが、一番最後に。エンドロールが相当良いですね。あの歌が綺麗なバラードになっているだけで、曲が流れている間中笑いが止まりませんでした。しかも極めつけにあの台詞!最後の最後まで笑わせてくれましたよー!!

<追記>

68年のオリジナル版もみました。レビューはコチラ

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2005年12月24日 (土)

TV映画「クリスマスキャロル」

「クリスマスキャロル」 2004年 アメリカ(TV)

94年以降毎年ブロードウェーで上演されているミュージカルを昨年、TVドラマ化した作品。スクルージを演じるのは僕がはまっているアメリカのドラマ「Frasier」で主役をしているケルーシー・グラマー。そして、ミュージカルの作曲をしているのが、ミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」やディズニーの「リトル・マーメイド」、「美女と野獣」、「アラジン」などでお馴染みのアラン・メンケン。(←アラン・メンケンの曲目当てで視聴)

ストーリーはかの有名なディケンズのあれです。大富豪のケチな金貸し老人のスクルージがクリスマスの夜に幽霊達によって自分の過去・現在・未来を見せられて改心するという物語。面白いのは、幽霊達を演じるのが、街の場面でスクルージに施しを求めて声をかける貧しい人々が2役でやっているというところでしょうか。あと、ミュージカル作品なので、全編ひたすら歌です。台詞のシーンよりも歌う場面のほうがずっと多い作品で、90分ほどの短い作品ではありますが、コンパクトな中にひたすら音楽がつめこまれていました。

アラン・メンケンは、ディズニー作品を見てみると、92年の「アラジン」のあと、エルトン・ジョンが曲をでがけた「ライオン・キング」をはさんで、95年の「ポカホンタス」でふたたび音楽を担当していますが、このドラマの基になったミュージカルは、94年上演なので、ちょうど、「アラジン」と「ポカホンタス」の間に作られたことになります。この頃、メンケンは「リトル・マーメイド」から「ポカホンタス」まで4作連続でアカデミー賞を受賞して、まさにノリにのっていた時期でして、このミュージカルの音楽が悪いはずがありません。掛け合いの多いオープニングの街の人々の歌は「美女と野獣」のオープニングを彷彿とさせますし、神に祈る曲は「ノートルダムの鐘」を彷彿とさせる構成ですし、アラン・メンケン節があちらこちらに散りばめられていて、なかなか嬉しい作品でした。ただ、音楽シーンの演出が割りと平坦だったイメージがあり、曲は確かに良いのだけれど、弱冠、退屈な仕上がりだったのも確かですが・・・。

TVドラマとは思えないような、かなり凝ったCGや、セット、演出なんですけど、ミュージカル作品としては、少し物足りない感じがあったのは事実。同じTVドラマのミュージカルだったら、ディズニーが作った「アニー」や「シンデレラ」のTV版のほうがずっと完成度が高い気がしました。まぁ、この2作品は監督や製作が「シカゴ」のロブ・マーシャルなので完成度が高いのは当たり前なのですが。

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2005年11月 6日 (日)

映画「オペレッタ狸御殿」

「オペレッタ狸御殿」 2005年 日本

いうなれば全編が新春かくし芸大会みたいな作品でした。やたらと「舞台」を意識した演出が多いので、かくし芸っぽさがさらに強調されてるんですね。役者さんたちも「自然な演技」をすることは目指していなくて、ベタベタな台詞回しが妙に面白い作品です。ストーリーなんてあってないようなもので、一つ一つのショーをとにかく楽しみましょっという感じの映画。一回笑い始めてしまうと、真面目なシーンも全て面白く見えてきて、全編ずーっと笑えてしまうような映画です。

自分よりも美しいと父親に嫉妬され命を狙われる美青年と狸の姫君との総天然色時代活劇恋物語です。親子の争いに巻き込まれて倒れてしまった姫様。はてさて、無事「極楽蛙」を捕まえて、姫の命を救うことができるのか!?しかしそんなストーリーはもはやどうでもよくって、とにかく派手な演出、オーバーな演技、徹底してバカバカしくてシュールなミュージカル&ダンスがこの映画の全て。

それはそれは見所満載の作品でした。一番のインパクトは由紀さおりと平幹二郎のラップ(コレ見るだけでもこの映画は価値あります!)。薬師丸さん(木更津キャッツ以来、コメディが似合いますね~)と由紀さんの妙なバトル。パパイヤの相変わらず切れのあるダンス。いきなり流れるやたらとソウルフルな歌声。すり足ダッシュ。CGで出演の美空ひばりの妙な自然さ(声もコンピューターで作ってるというのだから驚きです)。オダギリさんの歌はとにかく○○で・・・大爆苦笑。何故か一人だけ中国人の姫チャン・ツイィーとたま~に登場する妙な日本語。そして、メインのラブバラードのタイトルは「恋する炭酸水」。謎のポルトガル人たちも妙に笑えるし。ラストの盛り上がりはマツケンサンバもビックリ。もはやネタなのか何なのか分からないくらいに何でもありのスーパー娯楽大作。

この映画のもとになっているというかつて日本で大量に製作された「狸御殿」シリーズは全く知らないのだけれど、こういう無駄に豪華な娯楽大作って見ていて楽しくなるし、元気がもらえますよね。何年かに1度、こういう作品がコンスタントに出るのも良いんじゃないかなぁと思います。80歳を過ぎて、このみずみずしい感性を持った娯楽大作を製作できる鈴木監督に拍手!

DVDはミュージカルシーンだけを取り出して、他の部分をカットして再生&歌詞表示できる機能がついてて、見終わった後、音楽シーンだけまた見てしまいました。笑える歌もたくさんあるし、普通に良い曲もあって、なかなか楽しめます。異色の変化球ではあれ、自分はやっぱりミュージカル映画が好きです☆DVD買おうかな・・・。

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2005年9月13日 (火)

映画「モダン・ミリー」

「モダン・ミリー」 1966年 アメリカ

ミュージカル映画です。主演は、ジュリー・アンドリュース。「メリー・ポピンズ」、「サウンド・オブ・ミュージック」で大成功した彼女が、挑んだミュージカル映画第3弾。原作があるわけでもなく、ベースになる舞台版があるわけでもない映画オリジナルの作品で、当時はなかなかのスマッシュヒットを放って、アカデミー賞の作曲賞も受賞しているものの、すっかり歴史に埋もれてしまった作品。4年位前に、ブロードウェーで舞台化されて、トニー賞で作品賞など6部門を受賞しています。とにかくオシャレでハッピーなコメディミュージカル。最近の作品で言えば、「キューティー・ブロンド」とか「ブリジット・ジョーンズ」がミュージカルになったような爽やかな明るさのある作品です。

舞台は1920年代のアメリカ。大戦に挟まれ、大恐慌の前で、経済もノリに乗っている時代のお話です。田舎から出てきた主人公ミリーはタイピストの資格をとって、ステキな上司のタイピストになって、恋に落ちることを夢見る女性。彼女は独身女性専用のホテルに宿泊しながら、流行の最先端のファッションに身を包み、ニューヨークライフを謳歌している。ある日、彼女の宿泊するホテルに世間知らずの孤児の女性が宿泊するようになり、2人は意気投合して親友に。物語はこの2人と彼女達が恋する2人の男性を中心に進む。この恋愛劇に横糸に、ホテルの女主人が宿泊している女性を中華街の売春宿に売りつけるという悪事を企んでいる事件が縦糸として物語に絡んでくる。

正直長かったです。インタミをいれて2時間半。この長さを使って、描かれるのがドタバタコメディの恋愛模様ですからね。サスペンス要素を混ぜることでメリハリをつけようとはしているけれど、やはり2時間半はちょっと長すぎるように感じました。決してつまらなくはないんですけどね。ジュリー・アンドリュースといえば、「メリー~」も「サウンド~」も家庭教師という役どころで、どちらかというと、天真爛漫ではあるけれど、堅い役のイメージが強いのですが、この作品ではとにかくオシャレでモダンでハッピーな主人公を思いっきり演じていて、それがかなり新鮮。ミュージカルシーンは、やはり文句なしの素晴らしさなのだけれど、もっともっと彼女が歌う場面を増やして欲しかったですね。

物語のほうも、当時にしてはかなり進歩的な内容。女性の社会進出が始まった時代を描いているのだけれど、主人公が求人活動をする際、ステキな上司のいる会社が第一条件であり、彼女は面接を受ける立場にありながら、「ボスを選ぶのはわたし」と言えるくらいに、女性の雇用が多かった時代を描いているのが印象的。女性達が、オシャレなファッションに身を包み、社会に出て働き、男達を手玉にとって、色々と新しいことを始める様子をミュージカルタッチでとにかく明るく描いた佳作です。あと舞台になっている1920年代を意識したかのように、無声映画時代のように、黒背景に文字が現われて、主人公の心の声を挿入する方式も効果的に使われていました。他に印象的だったのは、時折現われるカメラを意識したような主人公たちの目線。「あらら、失敗しちゃった」みたいな場面で、視聴者に向かって、「エヘッ」って感じで演技をしたりするのも、この映画の空気にとてもあっていて好感でした。あと、場面転換の仕方とかも、割と凝っていて、タイトル通りにモダンでオシャレな映画。60年代、70年代ファッションが見直されている昨今では、この雰囲気は十分有りだと思われるわけで、ブロードウェーでリバイバルされたのも納得。

大作でもないし(長いには長いけれど)、歴史に残る傑作というほどでもなくて、知名度が下がってしまうのは仕方ないのかもしれないけれど、出てくる人々がとにかく楽しそうに演じていて、見ている側もとても幸せな気分になれるミュージカル。もっともっとみんなに知られててもいいんじゃないかなぁと思いました。

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2005年7月 9日 (土)

来日公演「プロデューサーズ」

ミュージカル来日公演「プロデューサーズ」@厚生年金会館

土曜日に体調が悪いのをおしてミュージカルを見てきました。チケット買ったのは昨年12月(チケットの売り出し開始日に購入!)でして、この半年以上何よりもこのイベントを心待ちにしていました。勝手に2枚チケットを買って、勝手に自分に都合の良い日にちを選んだにも関わらず、予習までして一緒に参加してくれたTくん、自分から誘いながら体調崩してて。ごめんなさいでした。でも、客席前部のオケピに指揮者さんが登場して前奏を始めた瞬間に体調の悪いのはどこへやらでした。余談ですけど、オケピをちゃんと使うミュージカルってなかなかないですよね。指揮者さんが挨拶してスタートするのはさながら映画「ムーランルージュ」の冒頭のようなワクワク感がありました。でも会場の音響がイマイチでせっかくの生オケ、生歌なのにちょいともったいない感じがしました。

この作品、ミュージカル版アカデミー賞とも言えるトニー賞で、新作ミュージカルが受賞できる12部門全てを史上初めて独占したという大作。ミュージカルのプロデューサーが主人公で、興行的に大失敗に終わってしまった作品を作ると、スポンサーにバックしなくてもよくなって、結果的に黒字になることもあるらしいことを発見した会計士と2人で、「絶対にヒットしないミュージカル」を作ることで大儲けしようと企てるというお話。

2人は最低の脚本、演出家、役者を集めて作品を作るのだけど、それが「最低」なだけあって、どれも強烈キャラ。脚本は、ドイツを心から愛するネオナチ脚本家による、「ヒトラーの春」というヒトラーを礼賛しまくる作品。演出は、強烈キャラのゲイの演出家とそのチーム(各種ゲイが揃ってる)による、SMテイストのゲイ風味。役者は、スウェーデン出身の英語が下手な爆裂ブロンド娘。そして、スポンサーは下ネタ全開の欲求不満の老婆達(老婆の園みたいなところで、空中ブランコしたりしてる)。主役の2人がお世辞を駆使して、彼らの協力を得てミュージカルを製作、そしていざ開幕してみると・・・。

徹底したコメディで、終始笑いが絶えない舞台でした。英語の言葉遊びが基になってたり、欧米の社会・文化的な常識が基になってる笑いも多くて、そういう部分はやはりそこまで笑いは起こらないのですけど、そうではない笑いのクオリティがとても高くて、国境を越えて笑える場面が多いのさすがは12部門です。ひたすら強烈キャラが登場したり、妙な妄想を繰り広げたりで、まるでバラエティ番組のコントを見ているような感じさえするミュージカル。舞台上の細かなところまでしっかりと小ネタがしこまれてて、とても楽しい作品でした。まぁ、下ネタ率も結構高いし(←こんなミュージカル初めて)、ネオナチとかゲイとか老人とか、スウェーデンやアイルランドなどの諸外国とかをコメディにするという点では様々な団体からクレームがきそうな内容ではあるんですけど、風刺がきいてるとも言うことができるわけで、なかなか奥の深い作品でした。

でも、コメディ演劇として見た時には確かに無茶苦茶面白いんですけど、ミュージカルとしてはどうかと聞かれると難しいですね。まず突出したミュージカルナンバーがないんですね。どの曲も確かに良いんですけど、テーマソング的なインパクトを持つ曲がないんです。オープニングナンバーに至っては、「このミュージカルって面白いの?」と疑問に感じるような微妙ささえ感じました。あと、派手なダンスシーンは確かにいくつかあって、老婆たちが老人用歩行器でアクロバティックに踊りまわるとことか、劇中劇の「ヒトラーの春」とかは確かに印象的なんですけど、「キャッツ」なんかと比べるとやっぱり印象に薄いのです。ストーリーも「レミゼ」や「サイゴン」のように感動的な大作ではないし。悪く言えば、ここ!っていう見せ場がイマイチ分からない作品。よく言えば、非常に全体のバランスが取れている作品でした。トニー賞全部門受賞はこのバランスのよさなら納得。でも、他に良い作品があったら、全部門逃していても納得なのかもしれません。

お気に入りのシーンは、会計士が妄想を膨らませてブロンドギャルが事務所のロッカーから登場するとこと、ハトさんたちがかわいいとこと、終盤で主人公が1人芝居でそれまでのストーリーを歌と踊りつきでプレビューする場面。あと、鏡が降りてきてダンスするとこはコーラスラインみたいで綺麗でした。なんだかんだと書いてますけど、本当に本当に楽しくて、会場もスタンディングオベーションで大満足の2時間半でした。

年末に映画化するらしいですけど、舞台ならではっていう笑いや演出が多かったので、それらをどのように調理するのかがとても楽しみ♪

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2005年5月14日 (土)

劇団四季「キャッツ」

劇団四季「キャッツ」@キャッツ劇場

映画で話題の「オペラ座」と同じくロイド・ウェーバー氏が作ったミュージカル。国内版も全国巡業をしながら超ロングランを記録してついに東京に帰ってきました。ずっと見たかった舞台なのでそれはそれは楽しみにしていってきました。

まずはやっぱり劇場が素晴らしい!!です。この公演のためだけに作られた劇場なので、完全に作品の世界観が劇場全体に再現されています。本当に細かいところまで遊び心にあふれた客席は必見。しかも各所に様々にカラクリが施されていて、公演中に、「おぉっ!あんなところにまで仕掛けが!!」と驚くこと多数。普通に客席も舞台の一部として使われていて、それを前提にした客席作りだし。自分は違ったのだけど、舞台と一緒に回転する座席とか、舞台の片隅にある座席とか楽しそうな座席もありました。

内容はあってないようなもので、天にのぼるただ一匹の猫を決めるために猫たちが集会を開くというストーリーで、舞台はひたすら各猫たちの紹介を歌と踊りで繰り広げるという内容。自らの悲しい過去をしっとりと歌いあげたり、役者だった猫は舞台を再現したり、マジシャンの猫が華麗なマジックとアクロバットを披露したりと見るものを飽きさせないエンターテイメントの数々。ていうか予想以上の内容の濃さで舞台に釘付けでした。サーカスとディズニーランドを足して2で割ったような舞台です。次から次に現われる舞台のカラクリの数々に驚き、美しい歌に聞きほれ、華麗なダンスに釘付けになり、猫になりきった役者さんたちの動きに感動する舞台でした。ちなみに大真面目なシーンにも関わらず、そこだけ台詞が一言だけ英語という謎の場面があり、それがあまりにもツボにはまってしまって笑いをこらえるのが大変でした。

かつて鉄道員だったという猫が出てきて歌う場面があるのですが、この役をされていた方の歌が本当に上手で、声もきれいなテナーだし、歌詞もはっきりと聞き取りやすくてこの歌の部分は完全に見とれてしまいました。恐らくこの場面はどちらかというとそこまで重要なシーンではないと思うのだけれど、今日の舞台の中では一番輝いていたと思います。メインで演じる人が上手だとその場面全体がパッと空気が変わりますねー。ところで、四季って日本人じゃない役者が結構多いんですねー。歌詞が聞き取りづらい場面がたびたびあったのもそのためでしょうかね。

ところでこの舞台、オリジナルの演出をしてるのがなんとトレバー・ナンじゃないですか!!!!RSCの偉大なる演出家にして、僕の大好きな映画「十二夜」の監督をされた方ですよ-。これは嬉しいですねー。

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2005年2月25日 (金)

映画「オペラ座の怪人」

「オペラ座の怪人」 2004年 アメリカ・イギリス

ついに見ました!映画化の情報を得てから1年以上どれだけ待ったことか。「王様と~」、「サウンド・オブ~」、「マイ・フェア~」から近年の「ダンサー・イン・ザ~」、「ムーラン~」、「シカゴ」などなど大作ミュージカル映画をこよなく愛するものとして、どれだけ待ち臨んだことでしょうか。こういうのもっと作ってよ!!ハリウッドさん!と言う感じです。トニー賞を全部門制覇した怪物ミュージカル「プロデューサーズ」は映画化が決まってるそうですけど、この調子で「ミス・サイゴン」とか「レミゼ」とかもバシバシやっちゃって下さいという感じです。

この映画に関しては、できるだけ大画面で音響の良い所で見たいと思っていたので、わざわざ有楽町まで行ってきました。平日の昼の回なのに、700席くらいあるのが半分以上埋ってましたよ。チケット買うのに15分くらい並んだし。そして、期待通りに大きなスクリーンだったので、見る前から心はドキドキでした。

映画が開始するやいなや、白黒写真っぽい風景がぎこちなく動き始めた瞬間に強烈にノックアウトされ、そのまま、「じゃーん!」というパイプオルガンの音ともに、時間が遡って、廃墟となったオペラ座が巻き戻しのようにして過去の姿に戻るまでの15分ほど、完全に画面に釘付けでした。この部分、「タイタニック」で僕が一番好きな場面である、「沈没船のドアをくぐるとそこはかつてのタイタニック」以上に感動しました。そして「タイタニック」同様に、このシーンも、家で見たらそこまでの感動は無いんだろうなと思いました。映画館で見てこそのシーンですよね。

本編も大満足でして、クリスティーヌを演じるエミー・ロッサムの到底17歳とは思えない歌声と大人っぽさ、よく見るとちょっとおっさん体型なファントムはロックテイストの歌声だったけれど(彼が教えて良い発声が身につくのかっていう疑問も)なかなか素敵、もっともっとやらしくても僕は好きよん♪あ、でも手つきは十分やらしかったね。ラウルっちはちょいと印象薄かったかもね。あと、ミニー・ドライバーですよ。「グッド・ウィル・ハンティング」ではこんな人でもハリウッド映画のヒロインになれるんだぁと思ったものです。その彼女、今回の役は自分の中では超ミスキャストでした。妙に頑張ってたし(そういう役ってのもあるけど)。どうせ1人だけ歌を吹替えるなら違う人使えばよかったのになぁと思ったり。歌える人なら、ほら、キャサリン・ゼタ・ジョーンズとか、ニコール・キッドマンとか。まぁ、有名な役者さんはあまり使いたくなかったのかもしれないけど。でも、ミニーさんは何気にエンディングの曲を歌っていたので、スタッフもかなり気を使ったのではないかと思いました。

ミュージカルシーンは文句なしだったんですけど、隣に座ってたおばさん(隣がぎゅうぎゅうなくらいの混雑!)が恐らくこの映画がミュージカルだと知らずにきてて、ちょっと面食らった様子な上に、途中で寝てました。台詞の8割は歌ですからねー。ミュージカルが苦手な人にはきついかもね。

好きなシーンをいくつか。手紙の歌、三枚目コンビと周囲の掛け合いが心地よいですね。そのまま続く「プリマドンナ」も良いです。あと、かなり最後のほうでファントムがサルのオルゴールを手にする場面は涙腺が緩みました。曲としては「Point of no return」(なんてたってpassion playが「情熱のプレイ」ですからね。サントラの対訳では「受難劇」になってるのに・・・。)と「Phantom of the opera」が良いね。

それにしても、2時間半はちょっと長いね。面白いけどつかれました。「All I ask of you」が終わって思いっきり引きの絵になったとき、そのままインタミに入るのかと思ってしまったさ。

このお話、醜い顔の男が世間の目から逃れるようにして地下でひっそり暮らしてるんですけど、その点「ノートルダム」とよく似てますよね。当時のフランスってそういうのが多かったんでしょうかね。ファントムさん、仮面とっても割りと普通の顔だったのに、「ギャー」と叫ぶ人々はどうしたものかと思いますよ。彼のあまりのストーカーっぷりに驚いて声を上げるならまだ理解できますけどね。まぁ、でもここでかなりグロい特殊メイクを披露されたら一気に映画は別物になりますが。ストーカーといえば、一番最後の映像は、映画的でよかったのではないでしょうか。結局ラウルって何!?みたいな感じもするけど。

ところで、このミュージカルだけで「オペラ座の怪人」がこういうストーリーだと思ったら大間違いです!原作はこんなラブロマンスではないよー!!普通にゴシック・ホラータッチのミステリー小説ですからね。金田一少年でもモチーフにされたくらいですからね。かつて読んだ角川文庫版は結構読みやすかったのでオススメです。

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2005年1月20日 (木)

映画「メリー・ポピンズ」

「メリー・ポピンズ」スペシャルエディション

公開40周年を記念した2枚組。まだ特典ディスクの一部を見ただけです。超充実の内容にビックリ。現在の出演者達によるインタビューを交えた50分間のメイキング、撮影風景、公開当時のワールドプレミア、アカデミー賞授賞式の様子、作曲家本人による曲解説、そして、ジュリー・アンドリュースが主演の新作短編とやたら豪華なんです。さらに本編にはジュリー本人によるにコメントが副音声で入ってたりします。嬉しいですねー。

この映画、こども向けと見せつつ、こめられてる風刺もかなり強いですよね。煙突掃除と銀行の頭取が一人二役なんですよー。階級社会イギリスを舞台にして両極にあたる人物を同じ人が演じるのですからねー。近頃ここまではっきりと皮肉な演出するのはムーアさんくらいでは?さらにメイキングによると特撮シーンはワイヤーアクションだったみたいですね。40年前に現在の流行をすでに取り入れているとは・・・。アニメとの融合もCGよりもずっと暖かみがあるし。ディズニー本人によって製作された最後の作品で本人が「最高傑作」と自負するだけあって、究極のエンターテイメント映画だと思います。40年前の作品とは思えないよ!ハトにエサあげる歌は本当に名曲っす。

この映画、同じ年に製作された「マイ・フェア・レディ」で主役を射止められなかったジュリーが出演したんですよね。その年のアカデミー賞では、ほとんどの賞を「マイ・フェア~」が受賞したのに、主演女優賞はヘップバーンではなくジュリーが受賞という皮肉な結果に。で、DVDに収録されてる授賞式のジュリーのコメントもとても皮肉たっぷりでした。彼女は「マイ・フェア~」の監督の名をあげて、「私を出演させなかったことに感謝してます」と述べていました。なかなかのツワモノです。ヘップバーンは居てもたってもいられなかったに違いなんだろうなー。しかも、この「ポピンズ」の成功で、「サウンド・オブ・ミュージック」の主役がヘップバーンからジュリーに変更になったらしいですからね。この年の映画界のできごとは本当にドロドロしてますよねー。ていうか、「ポピンズ」と「マイ・フェア~」の両方が作品賞候補だったアカデミー賞もすごいと思う。しかも同じ年には「シェルブールの雨傘」も製作されててまさにミュージカル最盛期。

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2004年10月28日 (木)

映画「ナイトメア・ビフォア・クリスマス ~デジタル・リマスター版~」

「ナイトメア・ビフォア・クリスマス ~デジタル・リマスター版~」

日本での公開10周年を記念してかの名作がデジタル・リマスターされて先週から再び劇場公開されています。しかもミニシアターではなくて拡大公開。かねてからのナイトメアファンの僕はどうせならできる限り大きな画面でみたいと思い調べたところ、近場で一番大きい劇場での公開は明日までとなっています(明後日からはその横の規模の小さな劇場に移動するらしい)。これは今週中に見に行かなくてはいけないと思い(ハロウィンは今週だしね)、頑張って授業の前に見に行ってきました。

この映画、軽く説明すると、「シザー・ハンズ」や「ビッグ・フィッシュ」などのティム・バートン氏が作った作品で、全編を粘土を使ったストップモーションアニメで撮影してる映画。この手法で90分近い作品を作るのも驚きだが、クオリティが極めて高くて、やっぱりCGよりも本物だということを再認識。あとはティム・バートンの趣味が全開の世界観のとにかく素晴らしい!!!

ストーリーは、ハロウィンを祝うことだけに特化した人々が暮らす「ハロウィンタウン」が舞台。彼らは化け物の姿かたちをして、年に一回ハロウィンの王者を決めるためだけに1年間いかに恐怖を演出するかを考えて暮らしている。そこに住む青年ジャック(ハロウィンの王者)がある日、ひょんなことからクリスマスの街に迷い込んで、人々が歌い、笑い、幸せに満ち溢れた光景にショックを受け、ハロウィンタウンでもクリスマスを行おうと提案。しかし、ハロウィンの住民がプロデュースするクリスマスは一筋縄ではいかなかった・・・・。というもの。

一応ディズニー提供なんですけど、全体にグロい空気をディズニーが嫌がったために、長い間ディズニー系列であることは声を大にして語られることもなく、D社は上手くそれをごまかしていました。しかし、ここ数年、ナイトメア人気の高まりに気をよくしたのか、ディズニーはいきなり堂々とキャラグッズの販売やテーマパーク進出をし始めました。売れるものは逃がさない見事な商魂です。でも、ティム・バートンはもともとディズニーのアニメーターですからね。ディズニーにいるときに作った実写短編は年齢指定をつけられてしまって公開させてもらえなかったらしいですね(今回はなんとその短編まで同時上映!確かにグロいシーンはあったけど・・・)。その後、ディズニーを辞めて映画監督として華々しくデビューした彼がこの映画の企画を立てたとき、その内容に賛同が得られず、制作してくれる会社が見つからず、そこに助け舟を出したのがかつての古巣だったという裏があるみたいです。その割りに扱い悪いですけど。

まぁ、裏話はともかく、この映画、やっぱり大画面で見ると違いますね。映画の世界にどっぷりつかることができました。CD聞きまくったから歌も一緒に口ずさめるし。ミュージカルシーンがほとんどなのに、それがまた、人形アニメとか一見怖いキャラとかとのバランスをとるのに一役かってますよね。ていうか作曲者の人、何気に声優もやってるし、歌も主役の歌吹替えをして2役分歌ってます。多芸ですねー。サンタさんを誘拐する3人組、キャラも歌も大好きなんですけど、この映画で一番すきなのはやはり、恐怖のプレゼントをもらって逃げ惑う子供達。絶叫して両手を上げて走り回る様子がとにかく可愛い!!とにかくグロくて可愛いという絶妙なバランスのとれたキャラが素晴らしいですね。ナイトメアグッズに手をだそうとしたことも何回もありますけど、これはきりがなくなると考えて思いとどまってるし。

この映画、結構考えさせるテーマも盛り込まれていますよね。隣の芝は青く見えるけど、自分らしさを失わずに、自分のよさに気づこうよ!っていうのが感じられます。そのほかにも色々と深い洞察ができる要素も多くて、ティム・バートン万歳!です。

映画見ながら思ったこと。この作品、舞台化してもいいかもしれませんねー。ティム・バートンが完全にプロデュースしたら、素晴らしい舞台になると思うんですけどね。

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2004年10月23日 (土)

ミュージカル「ミス・サイゴン」@帝劇

ミュージカル「ミス・サイゴン」@帝劇

今日はミュージカルを鑑賞してきました。「レミゼ」と同じ作詞・作曲によるミュージカルで、「レミゼ」同様に全編全ての台詞が歌になってます。ストーリーは、オペラ「蝶々夫人」をベトナム戦争を舞台に置き換えたもので、戦時下のベトナムでアメリカ兵と恋に落ちた女性キムが主人公。やがて戦争が終わり、アメリカ兵が帰還するとき、キムは彼についていこうとするものの運命の歯車によって2人は引き離される。3年後、キムは彼との間に生まれた子供を育てながら、彼との再会を夢見ていたが、同じ頃、アメリカで暮らす彼には2年前に結婚した妻がいた・・・。というストーリーを主人公キムが勤めるキャバレーをとりしきる男を狂言回しにして語られる。

今日のキャスト、狂言回しの男が市村正規、主人公が松たか子という割と「あたり」なメンバー。市村氏を含め、恋人役の男もその友人も四季出身の方でしたね。そういう意味でもチームワークがあったのかもしれません。役者さんたちがなかなか良い味を出していました。歌うまかったし。市村氏の役は別所哲也とか筧利夫もキャスティングされてるんですけど、今日見た感じだと市村氏以外には考えられません!非常にはまってました。そして一番良いなぁと思ったのは岡幸二郎氏。2幕の一番最初にソロで歌う曲、かなり上手かったです。こんなに満員の劇場であれだけ歌ったら気持ちいいだろうなぁ。松さんは4年暗い前に見た「ラマンチャ」のときよりは格段に上手かったですけど、やはり声量がいまいち足りない気がします。残念。あと、セクシーなシーンはあまり似合わないですね、やっぱり。

このミュージカル、かなりアメリカが悪く描かれていていると思ったらやはりロンドンが初演ですね。いきなりアメリカでこのストーリーは厳しいでしょうからね。主人公は現地妻とその子供ですからねー。割と社会派なストーリー、めくるめくスピーディーな展開、実物大のヘリが舞台上方から飛んでくるスケールの大きさ、そして本当に綺麗なメロディの数々と生で見るミュージカルをどっぷり堪能できた3時間でした。大満足。

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2004年10月 8日 (金)

映画「アラジン」 

「アラジン」 1992年 アメリカ

この映画、映画館で見た以来なので10年以上ぶりに見返しました。当時は小学生だったので普通に絵が綺麗なのと、純粋にアニメ映画を見る感じで見ていたし、ストーリーとかに夢中だったので細かいところまで配慮して見てなかったので、今回、色々と細かいところの面白さに気づきました。ロビン・ウィリアムズの面白さはもはや言及するまでもないですけど、それと同じくらいに各動物キャラと絨毯もいい味を出してますねー。ランプの精の繰り出す細かいギャグをかなり地味にサポートしているのが笑えました。恐らくディズニー映画では最も脇役が魅力的な作品ですね。絨毯に感情を与えて見せるのは、かつて箒に感情を与えたディズニー本人の精神を見事に引き継いでます。あと、姫の父親のダメっぷりも個人的にはかなり好き。

ストーリーとしては、割とひねられたオチが上手いなぁと思いました。意外と伏線が多い。あと、割と教訓っぽいお話だったのも新たな発見。昔は思わなかったけど主人公は自らの生い立ちを理由に多少の軽犯罪は許されると思ってるのがちょっといただけないかも。しかし、そんなことよりももっと大きな不満といえば、昔話系物語ファンとしては原作の舞台は中東じゃなくて中国なんだよってことを強調したい!!まぁ、細かいこと考えなければ、作品自体はかなり好きですけど。あと良く考えてみたら、男の子が主人公の御伽噺はディズニーでは珍しいですよね。どうアタックすればいいのか悩む姿とかはお姫様系のストーリーでは見られないですし。ターザンとかヘラクレスとかでもここまで恋に悩む姿は描かれてなかった様に記憶してます。

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2004年9月28日 (火)

映画「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」 

「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」 1986年 アメリカ

いやぁ~、笑った笑った。無茶苦茶好きかも。ホラー・コメディ・ミュージカルというカテゴリになるんでしょうか。同タイトルの白黒B級映画を舞台でミュージカルにリメイクしたものを映画化した作品です。売れない花屋に勤めるさえない青年がふと手に入れた奇妙な植物。それが話題になりお店は大繁盛するが、実は、それが地球侵略を企む宇宙からきた人食い植物だったというもの。小さいときは主人公が自分の指先を突いてポタポタと血を与えていたのだが、やがて巨大化するにしたがって「にんげんがたべた~い」と歌い始めるんです。こう書くと普通にホラーですけど、全然怖くない映画。コメディのほうが強いですからね。中でも、サディストな性格を生かして歯医者になった男を演じるスティーブ・マーティンが最高です。そこに歯医者での痛みを求めてやってくるヤバい患者のビル・マーレーが来るんですけど、この2人のシーンだけでこの映画をみる価値はあるかと。しかもこのシーン、ほとんどアドリブらしい。流石です。

さらに驚きは人食い植物の動き。メイキングが収録されてたんですけど、CG全盛期前の作品なので全て手作業で実際に動かしてるんです。マリオの某フラワーと同じデザインの花なんですけど、巨大化した場面では50人のスタッフを使って動かしたというだけあって、かなりリアルな動きに驚きます。こういうのを見るとやっぱりCGよりも本物のほうが味があっていいなぁと思ってしまいます。質感が違いますよね。今の技術をつかってリメイクとかして欲しくない作品かもしれません。

さて、ミュージカルと書きましたが、この映画、半分くらいは歌です。そしてその作詞・作曲が後にディズニーで「リトル・マーメイド」、「美女と野獣」「アラジン」のスーパーヒット&連続オスカー獲得を生むアラン・メンケン×ハワード・アシュマンのコンビ。歌の場面が悪いはずがありません。もとが舞台だったことを意識して映画のほうもかなり舞台を意識した演出をしていて、音楽シーンをわざとミュージカルっぽさを強調して描いてます(映像特典のメイキングでそう言ってた)。ゴスペル調がメインでとにかくノリが良いので最後までいっきに楽しめてしまいます。今まで見てなかったのを後悔です。

オープニングの歌の場面。歌い手が次々と変わっていきながら物語の背景を説明しつつ、町中の人々がコーラスというパターンは「美女と野獣」と同じですねー。そして、中盤でヒロインが歌う曲、どう聴いても「リトル・マーメイド」のヒロインが歌う曲の原型です。メンケン&アシュマンのその後の活躍を予見させるような、楽曲がいつまでも耳に残る作品なのは、ディズニー音楽ファンとしては本当に嬉しいね。

追記(2006年)

DVDが680円の廉価版で登場です!この値段のラインナップに並ぶってことは、世間での評価がかなりB級だってことなんだろうなぁ。でも、これで何回も好きな場面を見られるってもんですよ!!

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2004年8月26日 (木)

ブロードウェー・ミュージカル「キャバレー」 @国際フォーラム

ブロードウェー・ミュージカル「キャバレー」 @国際フォーラム

72年に映画化もされてアカデミー賞で8部門を獲得した舞台のリメイク版の来日公演。ミュージカルのアカデミー賞にあたるトニー賞も4部門受賞してます。このミュージカルの最大のウリは演出が、劇の部分は映画「アメリカン・ビューティー」の監督の方、歌&ダンスの部分が映画「シカゴ」の監督の方が手がけているという点。豪華すぎるよ。

ストーリーは映画版とはかなり異なっていました。登場人物がそもそも違うし。映画はボブ・フォッシーが映画には映画に合った脚本をということで大きく変更したみたいですね。舞台版のストーリーは、1930年代のベルリンが舞台で、主人公はアメリカからベルリンにやってきた作家。彼は汽車で出会ったナチ党員の青年の紹介で下宿を見つけ、ベルリンのとあるキャバレーに通うようになる。主人公はそのキャバレーの歌手兼ダンサーの女性と恋に落ちて、やがてキャバレーをクビになった彼女と暮らし始めることに。この2人の物語と平行して下宿の女主人と近所の果物屋さんのおじいさんとの老年カップルのロマンスが描かれる。時代背景は、次第に第2次大戦モードになり、結婚を考え始めた老年カップルのロマンスにユダヤ人問題という壁が立ちはだかる。物語はユダヤ人問題が登場するあたりから暗いムードを帯はじめて、最後は全くハッピーエンドではないくらい結末というお話。今回の舞台のオリジナルというラストもかなり鬱なものでしたし。映画版では結ばれるカップルもいたのにねぇ・・・。

ストーリーは違うものの、音楽は映画と同じなので予習していった甲斐は十分ありました。このミュージカル、確かに登場人物が歌う場面もいくつかあるんですけど、ほとんどの歌がキャバレーの舞台で歌われているという設定になっています。そもそも会場全体をキャバレーに見立てていて、観客はキャバレーのお客さんという設定の演出。物語も大道具とかは全く無くて、キャバレーの舞台の上にある椅子とかの配置を変えることで「汽車の中」とか「部屋の中」とかを表現。そしてキャバレーのショーの司会を務めるMCが「神の視点」を担っていて、舞台上で行われる劇を終始見つめているという作り。ミュージカルシーンは「キャバレーのショー」ということなので、本当に映画「シカゴ」と同じ演出をとっているんですね。物語のストーリーに沿ったショーが歌い踊られるわけです。今日の演出を見て、「シカゴ」の世界観をはっきりと認識できたように思いました。

映画「シカゴ」と違う点は、ショーの場面では歌うのが当の本人たちではなくて、キャバレーダンサーズ&MCという点。こうすることで、劇の部分とキャバレーでのショー部分がはっきりと区別されていました。で、舞台全体が2階建てになっていて、下のスペースでメインの劇が行われてて、上のスペースで楽団の生の演奏&ダンサーとかMCとかが劇を見下ろしているという構成。各自が勝手にセクシーポーズとったり、タバコすったり、出たり入ったりしてて、ストーリーが進んでいる舞台の下半分のスペースも重要だけど、彼らの動きを見ているだけでもかなり面白い。見るべき場所が多すぎるよ・・・。その点、全体が見渡せる2階席で良かった。さらにダンサーの人々、全員が楽団と兼任。ショーの場面で歌い踊っている人々が別の場面では楽団として演奏してるんですよ。1人でいくつの芸ができるんだ!!さすが、ブロードウェー!

かなり猥雑な部分が強調された演出で(こういうところも「シカゴ」と同じですね)、同性愛的要素もかなり強いんですけど、そういうところも1つの見所。ダンスとかも素晴らしいですし、歌も良いし、演出がまさに「シカゴ」だし、照明のライティングとかも本当によくできてるし、英語も聞き取りやすくて電光字幕をほとんど見なくてすんだし、何より、「会場全体がキャバレー」という作り方の徹底振りがお気に入りでした。だって、いきなり客席のお客さんにネタ振ったりするんですよ。完璧なるエンター・テイメントにただただ脱帽ですよ。ネオンライトも素敵だったし。映画「シカゴ」の大ファンとしては、その姉妹編(作詞、作曲も同じ)ともいえる舞台を生で見られて今年の夏は十分堪能したのでした。あ、このミュージカルで一番好きだったのは「パイナップルの歌」(正式タイトルではないですけど)だったことを加えておきましょう

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2003年11月19日 (水)

映画「シカゴ」

シカゴ

chicago

2002年

アメリカ

ついに見ました!ミュージカル映画ファンとしては久々のミュージカル大作の登場にワクワクです。アカデミー賞の作品賞も納得の作品でした。これを機に色々とミュージカル映画化してくれると嬉しいですよね。「レミゼ」とか「怪人」とか。

ミュージカルシーンの挿入が「舞台」になっているところが映画として新しかったですね。これって「ミュージカル拒否症」の人々がよく言う「人物が突然歌いだす意図が分からない」というような意見に対して与えられた演出なのでしょうか。もともとがボブ・フォッシーの舞台ですから、映画化にあたってはかなり舞台版を意識していたのかもしれません。

ミュージカルナンバーで印象的だったのは腹話術の歌ですね。これ最高!!!人形になっている主人公もいいし、巨大なリチャード・ギアが新聞記者のダンサーたちを操っているのも上手いし。まさに彼の独擅場の記者会見というのを非常に上手く表現していましたね。

あとは夫の歌うセロファンマンが哀しすぎて切なかった。この夫、最後の最後までやられっぱなしですよね。この曲を歌う場面こそ彼の最大の見せ場でした。あと、最初に妻を告発するところの歌も結構よかったかも。舞台上の2人と映画の場面の中の2人の重ね具合の演出がかなりお気に入り。

囚人たちのタンゴとか、死刑執行をマジックショーに見立てるとか、裁判をタップダンスで表現するとか、かなり風刺のきいた作品で、そういう点も面白かったと思います。リチャード・ギアってあんな歌声だったんだね。そしてタップを頑張る姿もなかなかきまってましたね。「プリティ・ウーマン」ではピアノ弾いてたし結構音楽な俳優なんですね。

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2003年7月26日 (土)

「レ・ミゼラブル」 @帝国劇場

「レ・ミゼラブル」 @帝国劇場

出演:別所哲也 内野聖陽 坂本真綾 井料瑠美 剱持たまき 森公美子 など

面白かったでーす。

別所哲也ってテレビで見るよりも数倍かっこ良いことが発覚。序盤ちょっと歌のテンションの高低が激しくて歌詞が聞き取りにくかったけど、後半はかなり良かった。森公美子ってテレビで見るよりもボリュームがあることが発覚。終始いい感じで楽しかった。

このミュージカル、少年が微妙に上手くて泣きそうになってしまったさ。子供使うのは反則技だよ。とある主要な役の人の音がいつもちょっと低いとか、ラストにあの曲が流れないほうが好きだなぁなどという感想もありましたが、全体を通して本当によくできていて、舞台装置などにも感動し、かなり充実した3時間でした。終わったときにはスタンディングオベーションで拍手が止まなかったし。

レミゼって長い原作だからストーリーのアレンジが気になるところですが、なんだかテナルディエの娘にかなり焦点があたっててびっくり。一番良いソロの曲があてられているし。前半のほうが駆け足気味で原作を知らずに見るとちょっと大変なのではという雰囲気もあったけど、後半の革命部分に時間を割くための演出だったようですね。下水道がよくできててちょっぴり感動。

ジャベールの最期は98年の映画版が大好きなのでちょっぴり物足りなかったかも。この映画、クレア・ディーンズやらユマ・サーマンやらが出てるスターキャストなんだけど、一番最後のシーンのジャベールは僕の見た映画の中でも5本の指に入るすばらしさです。ミュージカルと併せてぜひ御覧あれ。

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2003年3月24日 (月)

"You're a Good Man Charlie Brown" 

"You're a Good Man Charlie Brown" perfomed by Tokyo International Players @東京アメリカンクラブ

このミュージカルずーっと見たくて、2年程前に市村正規がスヌーピーの役をした日本の公演を見逃し、今回の公演の存在を知るやいなやチケットをとったのだ。しかし、この公演、TIPという創立されてから100年以上たつ在日外国人による劇団の公演で、全てが英語。オリジナルスクリプトなので嬉しいことは嬉しいけどちょっと不安でした。かつてサントラのCDを借りたので曲は知ってたんですけど。

で、このミュージカルの評価は「最高!」でした。この脚本と音楽は今までの自分の知っているすべてのミュージカルの中で一番かも。ただし小規模の劇場でやった場合に限るですけど。大劇場や映画、テレビでは見たくないミュージカルです。

2時間ほどの公演は、1つの大きなストーリーがあるのではなく、ひとつひとつが1分ほどのものから10分くらいのものまであるコントのようなものの連鎖になっているもの。つまり、4コマ漫画をそのまま舞台化しているのですが、原作から選択されたエピソードが良質であり、決して子供向けのエピソードを集めのではなく、むしろターゲットが大人のミュージカルに仕上がっていました。

一人一人のキャラの個性を上手くひきたたせ、本当に完成度の高い脚本。これを使って悪い作品にはならないので当然のごとく面白かったですよー。

個人的にはルーシーが1番いいですね。憎めないいじめっ子。そして歌も素晴らしい。

とにかく1度は見るべきですよ。何気にアメリカで最高公演回数の記録を持つミュージカルですし。いつまでも見ていたい、そんな感じのものでした。

そんなわけで、ますますPeanuts好きになってしまったのでした。

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2002年10月26日 (土)

「美女と野獣」スペシャルエディション

「美女と野獣」スペシャルエディション

感想は一言で言えば「最高傑作がさらなる傑作に生まれ変わった」でした。全てをデジタル加工でやや荒い場面を処理し、ブロードウェイ版で好評だったミュージカル曲をさらに追加して、全体の長さも増えた一作。

新たに追加された曲はもともと挿入するはずだったのだがストーリーとの絡みがうまくいかなくて断念したものをブロードウェイで舞台化する際に歌詞を直したというもの。"Human Again" というタイトルで変身させられたお城の者達が「人間に戻れたら~がしたい」という思いを歌う明るいミュージカルナンバー。歌の途中でベルが野獣に本(ロミオとジュリエット)の読み方を教えるという小話も新たに加わってファンとしてはかなり嬉しい。この新たに加わったシーンとその前後のつなぎも目を見張る上手さ。もともとあったシーンのような自然さで流れるようにつないでいた。

このビデオ、本編終了後に収録されているメイキングもかなり見逃せなくて、企画段階からの色々なエピソードが満載。流石ディズニー。大サービスだ。ちなみにこの特別編企画は「スターウォーズ」のエピソード4~6の特別編を意識して、ディズニーでも何か一作を新たにデジタル処理して作り直すなら何が良いかとなったときに「美女と野獣」が選べばれたのこと。

しいて厳しいことを言うと、特別編ではコミカルな描写が増えたため元祖のもつロマンス性がやや薄れて大人向けの度合いがやや下がったことだが、子供にとって見ればこれはプラス面の変化といえよう。

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